雪63片 ページ16
─
それから数十分後。
凄まじい空腹になんとか耐え抜いて、返却本の乗ったワゴンをエレベーターで2階に運ぶ。
チーンと電子音が鳴り、ワゴンにへたれこみかけていた体勢を気合いで立て直す。
ドアが横に滑ると、ハンチング帽が現れた。
「…………」
私よりも背が低く、男性にしたら小柄な方。
軽く会釈をすると半身になってくれたのでその横を通りすぎる。
「…………ヒヒッ」
「！！！」
口から漏れた男の息に、鳥肌が立つかと思った。
なったことはないけど、凌辱されるような、嘲られるような嫌な笑い声だった。
その、眼に異常なほどの既視感を憶える。
一瞬体の力が抜け、グウーーーーと盛大に腹が鳴いた。
「……あ、いや！すみませんすみません！」
周りからの視線が注がれ、ペコペコと360度頭を下げ回る。
やべえハズい。めちゃめちゃハズい。
2階カウンターの向こうから、ベテラン司書の清水さんの生温かい視線も送られてきた。
……昼コンビニで多めに飯買ってこよ。
財布の中身を思案しながら再び、気合いを入れ直した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
camellia(プロフ) - Ninja250さん» 急展開すぎてコケないようします笑 続きが読めないしか売りがないようなものなので() 二回目のコメありがとうございます！頑張ります！ (2019年4月20日 21時) (
レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
Ninja250 - !?!?!?!?びっくり!!急展開!続きが気になる!! (2019年4月20日 21時) (レス) id: 1223e64b98 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - Ninja250さん» わおー！！ありがとうございますとても嬉しいです！過去編ちょっと風呂敷広げすぎましたけど笑 ご期待にそえるよう頑張らせていただきます！これからもよろしくお願いします！ (2019年3月31日 18時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
Ninja250 - うおー!今日見つけて今日読んじゃいました!すっごく続きが気になりますねえ!物語の展開が読めない!次の更新が楽しみです! (2019年3月31日 17時) (レス) id: 1223e64b98 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - 白ぴくみんさん» コメントありがとうございます！そうですよね……高遠さんの小説少ないので半分自分の欲を満たすためにも書き始めたこともあります笑 コメントとても励みになります、これからも頑張らせていただきます！ (2019年2月7日 6時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：camellia | 作成日時：2018年12月28日 21時
