雪92片 ページ44
─
「………ッッ!」
危なかった。危なかったよく堪えた私。
体の熱が七割がた鎮まって胡蝶蘭にも目が向く余裕が出てきた頃、コンコンとノックの音。
どうぞ、と返すとカラカラと軽やかに開いた。
「佐賀美さん!大丈夫ですか?」
長い黒髪の彼女だった。
「貴女、あの時の……ご無事で何よりです」
大輪のガーベラ達を受け取る。
「眼鏡をかけた司書さんから、目が覚めたと聞いたので」
「幸大から。ありがとうございます」
「お礼を言うのはこちらの方です。本当に、ありがとうございました」
深く頭を下げられ、気にしないでくださいと言って上げてもらう。
そして、後ろでこれ以上ないくらいの仏頂面で佇んでいる男の子に目が留まった。
あー……もしかすると…………
「……君、彼氏くん?ごめんね、彼女さん独占しちゃって」
ものすっごい意地悪い笑みを浮かべて言うと、彼女はあたふたするし彼はよりそっぽ向くし。
やべえ楽しい。
「心配しなくても大丈夫ですよ。
こんなんだけど、女ですから」
「……ん?」
「えっ!?」
彼、彼女の順で驚き、そっくり同じ表情をする。
「改めて、佐賀美薫。
服は男性用だけど正真正銘の女ですよ。……名前、聞いても?」
「あ、えと七瀬美雪です。こっちは、幼馴染の金田一はじめ君」
「金田一……ごめんね、ミステリー好きで」
つい小説の名探偵が頭に浮かんだ。
「ああ、はじめちゃ……金田一君は、金田一耕助さんのお孫さんなんです」
「呼びやすいように呼んでくれて良いよ。
…………え?」
ガチ?
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camellia(プロフ) - Ninja250さん» 急展開すぎてコケないようします笑 続きが読めないしか売りがないようなものなので() 二回目のコメありがとうございます!頑張ります! (2019年4月20日 21時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
Ninja250 - !?!?!?!?びっくり!!急展開!続きが気になる!! (2019年4月20日 21時) (レス) id: 1223e64b98 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - Ninja250さん» わおー!!ありがとうございますとても嬉しいです!過去編ちょっと風呂敷広げすぎましたけど笑 ご期待にそえるよう頑張らせていただきます!これからもよろしくお願いします! (2019年3月31日 18時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
Ninja250 - うおー!今日見つけて今日読んじゃいました!すっごく続きが気になりますねえ!物語の展開が読めない!次の更新が楽しみです! (2019年3月31日 17時) (レス) id: 1223e64b98 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - 白ぴくみんさん» コメントありがとうございます!そうですよね……高遠さんの小説少ないので半分自分の欲を満たすためにも書き始めたこともあります笑 コメントとても励みになります、これからも頑張らせていただきます! (2019年2月7日 6時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:camellia | 作成日時:2018年12月28日 21時