傀儡師6人 ページ7
─
温もりを感じたのが不思議で、目が開いた。
徐々に意識がクリアになるにつれ、自分が柔らかなものに寝かせられていることを把握する。
…………誰かに、助けられたのか。
いや、この辺りはごく普通の住宅地だったはず。
一般人なら、顔を見られた時点で即座に警察に通報されているだろう。
もしかすると、拘置所かもしれない。
しかし目に映るのは無機質な白ではあらず、薄いアイボリーだった。
「……」
腕を、目に乗せる。
───────助けられたのは幸いだが。
長居は無用なことは変わりない。
家人が来る前に、ここを去らなければ。
不意に目線を右の方にやったときだった。
「……!!」
図らずも驚嘆した。
寝かせられていたソファの前に、王座のように陣取られたデスクチェア。
そこに一人の人物がいたのだ。
くすんだ緑のセーターの上に黒い上着を重ね着していて、体型は分からない。
腰までほどの黒髪は頭の後ろで無造作に束ねられていた。
男女の区別が即座にはつかない容姿。
一つ幸運だったのが、彼───────
ここは彼で通そう。
彼が目を閉じ、寝息を立てていたことだ。
慎重に、ソファから下りようとした。
「……おっと、目ぇ覚めたか」
幸運が、一瞬にして不運に転ずる。
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camellia(プロフ) - すぃさん» 読んでくださりありがとうございます! はーい行ってらっしゃいませ!! (2019年10月20日 8時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
すぃ - camelliaさん» 続編行って来ます! (2019年10月20日 8時) (レス) id: 045c20b509 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - まるさん» 申し訳ありません、修正の際に誤って立ててしまっていました。ご指摘ありがとうございました。 (2019年1月2日 21時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。外し忘れ、とかいう軽い意識はおやめ下さい。作品を消されても仕方のない行為です。オリジナルの新着に二次創作が上がってくる事を不快に感じる人もいます (2019年1月2日 21時) (レス) id: cec6dd7646 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:camellia | 作成日時:2018年7月11日 20時