傀儡師37人 ページ38
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全員喪服を来ており、男性の言葉どおり6人の男女が写っていた。
佐賀美さんは手前に写っており、その顔は笑みを浮かべているもののどこか哀しげだった。
「最初に来た年に一番わんわん泣いてて大変でよ。
他の子らが必死に名前呼んで慰めてたから、薫ちゃんだけは名前覚えてるんだよ」
「…………」
3年経ってやっと、一人でも悲しみを受けとめられるようになった。
3年経ってやっと、笑顔で墓石を撫でることができた。
柄でないことは解りきっていたけれども、彼女の心中を察せずにはいられなかった。
「お客さん、迎えに行ってきてくれねえか?
今からうどん茹でるから」
店主に言われ、たてつけの悪い戸を今度は難なく開けて外に出た。
山おろしのような風に吹き付けられ登る。
ふいに、風にかき消えそうな声が聞こえた。
「………ば、………ど………った……う」
その端切れが微かなメロディを伴っているのに気づいたのは、彼女の背後に立ってから。
──────この出来事が夢というならば。
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camellia(プロフ) - すぃさん» 読んでくださりありがとうございます! はーい行ってらっしゃいませ!! (2019年10月20日 8時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
すぃ - camelliaさん» 続編行って来ます! (2019年10月20日 8時) (レス) id: 045c20b509 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - まるさん» 申し訳ありません、修正の際に誤って立ててしまっていました。ご指摘ありがとうございました。 (2019年1月2日 21時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。外し忘れ、とかいう軽い意識はおやめ下さい。作品を消されても仕方のない行為です。オリジナルの新着に二次創作が上がってくる事を不快に感じる人もいます (2019年1月2日 21時) (レス) id: cec6dd7646 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:camellia | 作成日時:2018年7月11日 20時