検索窓
今日:4 hit、昨日:13 hit、合計:63,979 hit

雪12片 ページ13










 実は、と明かされた彼の職業……正確には趣味に近い副業らしいのだが。





 予想が当たっていたことに図らずもビビる。







 「なあ、今なんかできたりするか?」




 「そうですね……」




 私が言うと、遠山は部屋を見渡す。





 聞く前に気になったが、簡単なものならできるくらいのタネは仕込んであるらしい。





 本当に趣味かと疑う意識の高さだ。





 今部屋を見渡しているのは、私の興味を惹くための種を探しているのだろう。





 ココアを啜っていると、遠山が妖しく笑う。





 急に光を帯びた瞳に慄いていると、スッと腕がのびてきて、眼前で右手をにぎった。








 「One……Two……Three‼」





 ポンッと音を立てて現れたのは。











 …………深紅の、薔薇、だった。





 乾ききっていない染みに布を押し当てたようにじわりと記憶がせりあげる。






 ダメだ、と思ったときには遅かった。





 「……ッ」





 ジーンズに雫が弾け飛ぶ。




 持ち手をきつく握りしめ、顔を伏せる。














 何で。今になって、思い出させるんだろう。





 この男は。












 『薫ちゃん』







 あの(ひと)を。




 一頻り涙を流した後で、呼吸を整える。







 「……ごめん、びっくりさせて。




 ……ちょっと、吐き出させてくれないか。







 今迄、誰にも話したこと、なかったんだ。」







 言えないままじゃ、壊れそうだ。




 目尻に涙を溜めたまま、語りだした。








 



.

結晶13粒→←傀儡師11人



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.7/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
62人がお気に入り
設定タグ:高遠遙一 , HoneyWorks , camellia   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

camellia(プロフ) - すぃさん» 読んでくださりありがとうございます! はーい行ってらっしゃいませ!! (2019年10月20日 8時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
すぃ - camelliaさん» 続編行って来ます! (2019年10月20日 8時) (レス) id: 045c20b509 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - まるさん» 申し訳ありません、修正の際に誤って立ててしまっていました。ご指摘ありがとうございました。 (2019年1月2日 21時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。外し忘れ、とかいう軽い意識はおやめ下さい。作品を消されても仕方のない行為です。オリジナルの新着に二次創作が上がってくる事を不快に感じる人もいます (2019年1月2日 21時) (レス) id: cec6dd7646 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:camellia | 作成日時:2018年7月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。