雪花44輪 ページ45
─
パチン、という音とともに暖色系の光が部屋に満ちる。
「私の家。普段はここから入れないんだけど、今日は佐賀美さんがいるから良いっしょ」
「お、お邪魔します」
若干オドオドしながら足を進める。
「おい、伊月。そこから入ってくるのはやめなさいって……あれ？友達かい？」
フレームレスの眼鏡をかけた男の人が顔を出す。
「うん、クラスメートの佐賀美さん。
佐賀美さん、これ私の父さんで、ここの工房長」
「初めまして、佐賀美薫です。」
「父さん。ちょっと、見てもらっても良いかな」
「ん？」
「すみません、いきなりお邪魔して。
実は……」
それから私は、デザイナーを目指していること、書き溜めてきたデザイン画を形にしたいと思っていること、
それに、ここのステンドグラスを使って作ってもらえないかということを伝えた。
私が差し出したファイルを、食い入るように見つめながらめくる杠のお父さん。
「フーン……これらは、いつ頃から？」
「え……と、その中で一番古いのは小6ですけど、それらしき絵は小5くらいから描いてました」
「成程…………よし、分かった。
引き受けさせてもらうよ」
「本当ですか！？ありがとうございます！」
ガバァッと勢いよく頭を下げる。
「但し。作るのは伊月、お前がやるんだ」
「っは！？」
ついさっきまで事を傍観していた杠が急に話をふられ、すっとんきょうな声をあげた。
「いやいやいやいや無理無理絶対無理！！」
「伊月。この工房継ぎたくないのか？」
「継ぎたいよ！でもいきなりそんな………」
「いずれ店を譲る時は来る。
そのときに、お前の技術が未熟じゃあお客さんに迷惑がかかる。
彼女はデザイナー、お前はここの工房長。
それぞれの夢を叶えるために、今から経験を積み重ねていくにこしたことはない。」
「杠……改めて、頼む！」
私も頭を下げる。
「父さん……佐賀美さん…………。
…………あー分かった！やってやらあ！」
半ば投げやりに、でも確かな決意を込めて。
彼女はそう告げてくれた。
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camellia(プロフ) - すぃさん» 読んでくださりありがとうございます！ はーい行ってらっしゃいませ！！ (2019年10月20日 8時) (
レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
すぃ - camelliaさん» 続編行って来ます！ (2019年10月20日 8時) (レス) id: 045c20b509 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - まるさん» 申し訳ありません、修正の際に誤って立ててしまっていました。ご指摘ありがとうございました。 (2019年1月2日 21時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。外し忘れ、とかいう軽い意識はおやめ下さい。作品を消されても仕方のない行為です。オリジナルの新着に二次創作が上がってくる事を不快に感じる人もいます (2019年1月2日 21時) (レス) id: cec6dd7646 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：camellia | 作成日時：2018年7月11日 20時
