47＿＿S ページ47
「俺たち……ともだ、ち？」
「え、うん。友達だよね？」
その不安そうな顔はなに？
つられて俺も絶対情けない顔をしてるはず。
だって視界が潤む。
「ええええっ、佐久間くんどうしたの？ ほんとに聞くよ！ 友達なんだから話して」
「うううっ……」
友達友達って言うなって。
もうわかったから………
Aが友達を望んでくれるなら、俺は友達で居るから。
一生その位置で、友達の中で一番にしておいてくれよ。
「赤塚、」
「ん？」
「お前は心の友だよ」
「あはは！ジャイアンかよ！」
「うっせえ！だったらお前は一々ウザイスネ夫だわ！」
俺は初めて恋をした。
転校してきた赤塚Aという女の子に。
だけど告白も、失恋もない道を選んだ。
高校卒業の日、満開の桜を二人で見上げる。
「佐久間くんに出会えて良かった。楽しかった」
「俺も。大学は別々だけど、また遊ぼうな」
「うん。じゃあまたね」
「おう、また」
その約束は果たされることはなかった。
大学の間、俺たちは一度も会うことも連絡を取ることもなかった。
結局こうなるなら、告白しとけば良かったのかもしれないって何度か思ってるうちに時は過ぎ希望していた食品会社に入社する事になって、その説明会場でまさかの再会を果たす。
ビシッとスーツを着て姿勢の良い女性が会場のドアを開けようとしていて、「俺もー！俺も入りまーす！」と滑り込む。
パッと俺を見上げた顔、間違えるわけなくて。その時の衝撃は、Aを初めて見たあの教室と同じだった。
「あか、つか？」
「さくま、くん？」
「うわー！え！？ お前ここなの？この会社なの？」
「う、うん！ 今日説明会…」
「まっじかよ！一緒じゃん！」
これって運命？
漫画ならこの再会から確実に恋愛が始まるよな。
でも恋愛は始まらない。
何故なら俺はこの時彼女が居たから。
再会なんてすることはないと思っていたし、一度友達だって決めてからの付き合いは最初は辛かったけど段々とそれが当たり前となって、俺の中でAは”友達”って揺るがないものに変わってしまってたから。
だからこの再会の時は純粋に友人に再会できた事を嬉しく思って、顔見知りが居てほっとしたのもあって、二人でよく一緒に居た。
そこにいつからか翔太も加わって、俺たち三人の関係が出来上がっていった。
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ゆきんこ(プロフ) - クリボーさん» 初めてのコメントありがとうございます！嬉しいです！とことん切ないお話が読みたいって思いで作ってるので切なくなってもらえてよし！という気持ちがあります(すみません)これから暫く💗さんsideなのですが、そちらも楽しんでもらえるように頑張ります！ (2022年1月26日 13時) (
レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
クリボー - 主人公ちゃんの切ない気持ちに思わず涙が出てしまいそうになりこれはコメントせずにはいられない！と思い初めてコメントさせてもらいました😆毎日更新を心待ちにしながら読み返しております☺️大変だとは思いますがこれからも頑張って下さい！！ (2022年1月25日 22時) (レス) id: bc588715c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ななぽんさん» コメントありがとうございます！ うわっ！叫ばせてしまいました（笑）(内心はガッツポーズしております) ありがとうございます！頑張ります😆 (2022年1月25日 21時) (レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - かりんさん» コメントありがとうございます😊 ☆いっぱい押してほしいです☺️一度しかないって悲しい！でもそのお気持ちだけでも受け取っておきますね！ (2022年1月25日 21時) (レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
ななぽん(プロフ) - わたなべええええええええ！！！！な展開最高です。面白すぎて毎日心待ちにしています！ (2022年1月25日 20時) (レス) @page42 id: 9658e76aab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年12月8日 23時
