45＿＿S ページ45
だからAの前で好きなものを語る中で、本当に好きなわけじゃねえのに女の子達の名前を時々だした。
告白してみよっかなぁ、なんてするつもりもねえのに気を引きたくて。
それでもAは平然としてるから、次第に気付く。
ああ、俺この子にそもそも意識されてねえのかもって。
「赤塚って、俺のことどう思う？」
学祭でお化け屋敷をする事になった。
準備をしていると、二人きりの時間なんてあまり持てなくなった。
だけどこれが終われば受験シーズンに入るし、今しかねえと思った俺は意を決して聞いてみた。
ダンボールに赤いペンキをピシャッと飛ばす。
「……どうって？」
「うーん、男として？」
「優しい…よね、佐久間くんって。佐久間くんが居てくれたから、私この学校来て良かったと思ってる」
それはどう受け取ればいいの？
俺は一歩先に進みたい。
小さな手が目の前にあって、それに触れたいと思う。
ゆっくりと伸ばした手が触れそうになって、「佐久間ー、担任が呼んでるー」とタイミングが悪ぃわ！
その手を頭に持っていってガシガシと掻き立ち上がる。
「ちょっと行ってくるわ」
「……うん、行ってらっしゃい」
そのまま進路について延々とどうするか話し合うことになって、結局あの話の続きをするタイミングもないまま学祭が始まった。
よし、お化け屋敷にAを誘う。
んで告白する！と意気込んだけど、Aは熱を出したとかで学祭二日間とも休んだ。
一緒に作ったお化け屋敷、Aと入りたかったなぁって片付けながら思い、この学校生活唯一の心残りになるわけで。
なぜなら一番告白するのに良いムードじゃんって。
まあ、でもまだチャンスはあるよなって思って待っていたけど、そのチャンスは来なかった。
何故なら、
「この前告白されたんだけど、タイプじゃなくて断ったのね。なのにまだしつこく連絡してくんだよ〜？ウザくない？」
「あーやだね。しつこいのって苦手」
そんな女子の会話を聞いて、Aの顔が浮かんだ。
Aはどうなんだろうって。
Aにおすすめした漫画で、気に入ったキャラが居るか聞いたことがあった。
それらを思い出すと、みんなさっぱりとした好青年達だった。
え、待って。もしかして、これ告白して断られたら終わり？
俺は諦めずに想ってれば、気持ちが向くかもって思ったけど。
「ストーカーになりかねないよね」、なんて言葉がグサッと胸に刺さり廊下に腕をついて倒れた俺。
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ゆきんこ(プロフ) - クリボーさん» 初めてのコメントありがとうございます！嬉しいです！とことん切ないお話が読みたいって思いで作ってるので切なくなってもらえてよし！という気持ちがあります(すみません)これから暫く💗さんsideなのですが、そちらも楽しんでもらえるように頑張ります！ (2022年1月26日 13時) (
レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
クリボー - 主人公ちゃんの切ない気持ちに思わず涙が出てしまいそうになりこれはコメントせずにはいられない！と思い初めてコメントさせてもらいました😆毎日更新を心待ちにしながら読み返しております☺️大変だとは思いますがこれからも頑張って下さい！！ (2022年1月25日 22時) (レス) id: bc588715c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ななぽんさん» コメントありがとうございます！ うわっ！叫ばせてしまいました（笑）(内心はガッツポーズしております) ありがとうございます！頑張ります😆 (2022年1月25日 21時) (レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - かりんさん» コメントありがとうございます😊 ☆いっぱい押してほしいです☺️一度しかないって悲しい！でもそのお気持ちだけでも受け取っておきますね！ (2022年1月25日 21時) (レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
ななぽん(プロフ) - わたなべええええええええ！！！！な展開最高です。面白すぎて毎日心待ちにしています！ (2022年1月25日 20時) (レス) @page42 id: 9658e76aab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年12月8日 23時
