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「まさかAがお化け苦手とは知らなかったわ」
「………」
もう何回叫びそうになったか。
佐久間はヤバそうなものがあると必ずそこを照らして確認するから、その度にわー！だのぎゃーだの叫ぶ羽目になるんだ。
学祭の話なんていつの間にか終わってて、懐かしさに浸るよりもゲラゲラ笑ってる佐久間の後を着いて行くのに必死だった。
自分の両手をギュッて握り締めて、最低限。自分の足元だけを見て歩こう。
そうすればギリ佐久間の靴も見えるから､
後は着いて行けばなんとかなる。大丈夫。A頑張って！！！！
心の中で”おー！”っと拳を上げていたせいか、ほんの一瞬だったのにその最低限の視界から佐久間が消えた。
「え？ え、ちょっ、佐久間？」
そうなると懐中電灯がないから廊下にある薄緑の明かりだけで、ほんのりと廊下があると分かるくらいになる。
待ってよ！何処に行ったの？
数秒じゃん！あいつっ、少しは落ち着いてよ！！直ぐにどっか行く！！
「っ……さ、さくまぁ…どこぉ？」
大きな声を出すと響くから、それすらにも恐怖を感じて小さな声で呼ぶ。
聞こえるわけないよね……
ヒタ……ヒタ……ヒタ、と背後から聞こえるのは足音？
裸足で廊下を歩いてる感じの。
「ひっ、待って待って。お願いやめて……」
振り返っちゃ駄目なの。絶対怖い思いするって分かってるのに、こういう時って確認せずに要られない。
だめ、ヤバいって。
「さくっ、どこ……さくまぁっ」
ねぇ、どうしてよ。
いつもいつも、私を置いて何処かに行っちゃう。
こんな時くらい置いて行かないでっ。
「さくまぁぁぁ……」
「呼んだ？」
「ひゃあああっ！！」
「おっと！逃げんな！俺だって！さ・く・ま！！」
振り返りながら佐久間を呼んだら、隣からヒョコっと現れた。
またしても顔に光を当てて。
私はパニックになって、佐久間だってその一瞬では気付かなくて逃げようとしたらグイッと手首を掴まれて引き寄せられる。
硬い体の中に収まっても飛び出しそうになった心臓は落ち着かなくて、「ひっ、ヒック！ううっ」と抑えられない涙が溢れた。
「……A、ごめん。気づいたらはぐれてたみたいで」
「っ、ばか！ 懐中電灯持ってんだから置いてくな！ 置いて…かないでよぉっ…」
「………うん、ごめんな」
さっきよりも力強く抱き寄せられる。
肩をギュッて握ってくれる佐久間の手の温もりを感じてやっと安心して涙が引っ込んだ。
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ゆきんこ(プロフ) - クリボーさん» 初めてのコメントありがとうございます！嬉しいです！とことん切ないお話が読みたいって思いで作ってるので切なくなってもらえてよし！という気持ちがあります(すみません)これから暫く💗さんsideなのですが、そちらも楽しんでもらえるように頑張ります！ (2022年1月26日 13時) (
レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
クリボー - 主人公ちゃんの切ない気持ちに思わず涙が出てしまいそうになりこれはコメントせずにはいられない！と思い初めてコメントさせてもらいました😆毎日更新を心待ちにしながら読み返しております☺️大変だとは思いますがこれからも頑張って下さい！！ (2022年1月25日 22時) (レス) id: bc588715c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ななぽんさん» コメントありがとうございます！ うわっ！叫ばせてしまいました（笑）(内心はガッツポーズしております) ありがとうございます！頑張ります😆 (2022年1月25日 21時) (レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - かりんさん» コメントありがとうございます😊 ☆いっぱい押してほしいです☺️一度しかないって悲しい！でもそのお気持ちだけでも受け取っておきますね！ (2022年1月25日 21時) (レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
ななぽん(プロフ) - わたなべええええええええ！！！！な展開最高です。面白すぎて毎日心待ちにしています！ (2022年1月25日 20時) (レス) @page42 id: 9658e76aab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年12月8日 23時
