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「ほんと馬鹿だな」
暖を取る為にゲーセンに入って、ゲームをするわけでもなくとりあえずホットコーヒーを買った。
「わかってますよー。でも見た？ あの嬉しそうな顔」
「ヘラヘラしてたな」
「うん、幸せそう……」
もうね片想いも極めちゃったら、相手が幸せな事が一番だって最終的には思うんだ。
ほんの少し胸の奥がチクってすることなんて誤魔化すのには慣れたもん。
ベンチに腰掛けて、楽しそうにクレーンゲームしてる親子を眺める。
「そういえば渡辺くん、なんで来たの？ 遊園地に来たかったの？」
多分佐久間が誘う相手で私が知ってる人なら渡辺くんだろうとは思っていたけど。
疑問だった事を尋ねると、コクッとコーヒーを飲んで渡辺くんは明後日の方を見た。
「なんでって、別に……誘われたから。暇だったし」
「そうなんだ。なんか最近仕事以外で会う事増えて新鮮かも」
「なにが？」
「前も思ったけど、私服とか。付き合い長いのに今まで休日に会った事なかったなぁって」
「まあ、そうだな」
私を見て、ふぅと息を吐く。
え、それはどんな意味があるの？
なんか可笑しいのだろうか？
佐久間に何処に行くのか聞けば、動きやすい服装してきなって言われたから動きやすさ重視で、でもちょっとくらい可愛く見られたい女心からスカートは履いてきた。
サクラさんのように脚は出す勇気はなくて、ロングスカートだけど。
奴がデートだと言うんだ。
デートを意識した格好をしてやったさ。ただ佐久間の瞳に映るのは彼女だけなんだろうけど………
コーヒーを飲んでから適当にゲーセン内をブラブラしていると二人が戻ってきた。
サクラさんの腕の中にはピンク色のふわふわしたウサギさんが居て、じっと見ていたら「そこに居たの救出してきた！」と、ビシッと敬礼する佐久間。
その瞬間、またひとつ私は勝手に傷を負う。
『これクッキーのお礼！』と言って、学生時代に貰ったクマさん。
あれも確かクレーンゲームだって言ってた。
きっとその細い腕に抱かれてるウサギさんは”彼女へのプレゼント”なのだろうけど、私のクマさんは所詮は”お礼”だ。
比べたって仕方ないのに、胸がぎゅっとして拳を握ってやり過ごそうとした私の目の前にぶらんっと垂れ下がったもの、
「……クマ……」
「あげる」
掌サイズのチェーンがついた白いクマさんだった。
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ゆきんこ(プロフ) - クリボーさん» 初めてのコメントありがとうございます！嬉しいです！とことん切ないお話が読みたいって思いで作ってるので切なくなってもらえてよし！という気持ちがあります(すみません)これから暫く💗さんsideなのですが、そちらも楽しんでもらえるように頑張ります！ (2022年1月26日 13時) (
レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
クリボー - 主人公ちゃんの切ない気持ちに思わず涙が出てしまいそうになりこれはコメントせずにはいられない！と思い初めてコメントさせてもらいました😆毎日更新を心待ちにしながら読み返しております☺️大変だとは思いますがこれからも頑張って下さい！！ (2022年1月25日 22時) (レス) id: bc588715c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ななぽんさん» コメントありがとうございます！ うわっ！叫ばせてしまいました（笑）(内心はガッツポーズしております) ありがとうございます！頑張ります😆 (2022年1月25日 21時) (レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - かりんさん» コメントありがとうございます😊 ☆いっぱい押してほしいです☺️一度しかないって悲しい！でもそのお気持ちだけでも受け取っておきますね！ (2022年1月25日 21時) (レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
ななぽん(プロフ) - わたなべええええええええ！！！！な展開最高です。面白すぎて毎日心待ちにしています！ (2022年1月25日 20時) (レス) @page42 id: 9658e76aab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年12月8日 23時
