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「んーっ！ めっちゃいい匂いすんじゃん！」
「おおっ！？」
佐久間は落ち着きがない。
初めてやってきた家だからかずっとソワソワしていて、時々私の様子を見にキッチンへやってきたり。
それに比べて渡辺くんはコタツに入ってボケーッとテレビ観てる。
もう何度も来たことあるかの如くだ。
「これなに？」
私の隣に立ってコレと鍋を指さす。
「芋炊き鍋。母がね里芋を大量に送ってくれてたから丁度消化するのに良いなと思って」
里芋や白菜、人参や豆腐と割ともうごちゃ混ぜになってるけどね。
「あったまりそう！」
「あったまるよ」
うふふ、と笑い合う私たちって他人から見たらどう見えるのかな？
佐久間は元々距離も近いからほら、今も肩が触れ合ってる。
顔が熱いのはね、お鍋を煮込んでるからってことにできるよね？
「あ、皿とか出す？」
「そうだ、コンロ……」
お皿の前にカセットコンロ出さなきゃと思って、一人暮らしだと滅多に使わないからって棚の上に置いたんだった。
「んーっ」
片脚だけを浮かせて、もう片脚は爪先立ち。
あと少しで届きそうって時にグラッと身体が傾いた。
「わっ……」
転ぶかなって思った身体は、「大丈夫か？」と佐久間の胸に背中を預ける形で転ばずに済んだ。
トン、とぶつかった身体は結構ガッシリしてて、肩をぎゅっと掴む力も強かった。
可愛い顔をして、ちゃんと男性なんだよね。
「大丈夫。ごめんね」
「これ取ればいいの？」
「うん。ありがとう」
ドキドキしてまともに佐久間が見れない。
こんなことなら最初から取ってって頼めば良かったね。
「これ持って行っとく！ あと皿は？」
「あー、棚の右側にあるやつ。それそれ。あとお箸はその下の引き出しね」
「りょーかい！」
佐久間ってめちゃくちゃ動く人だなって。
多分私が作ってるからとかじゃない、佐久間なら何でも、それこそやった事がない事でも自ら進んでやってくれそう。
ほんの少しだけ恋人気分を味わえた気がして、複雑さもあるけど素直に嬉しかった。
「翔太ぁ、お前も少しは手伝えよ！」
「えー、邪魔しない方がいいかと思って」
「邪魔？」
ああもうっ！また渡辺くんは余計な事を言いそうだ。
早く鍋を持っていこう。
「お鍋通りまーす！」
「おおっと！ え、大丈夫？ 持てる？熱くない？」
「大丈夫大丈夫！！行くよ〜」
佐久間が置いてくれてたカセットコンロの上に鍋を置いて、カチカチと火を点ける。
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ゆきんこ(プロフ) - クリボーさん» 初めてのコメントありがとうございます！嬉しいです！とことん切ないお話が読みたいって思いで作ってるので切なくなってもらえてよし！という気持ちがあります(すみません)これから暫く💗さんsideなのですが、そちらも楽しんでもらえるように頑張ります！ (2022年1月26日 13時) (
レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
クリボー - 主人公ちゃんの切ない気持ちに思わず涙が出てしまいそうになりこれはコメントせずにはいられない！と思い初めてコメントさせてもらいました😆毎日更新を心待ちにしながら読み返しております☺️大変だとは思いますがこれからも頑張って下さい！！ (2022年1月25日 22時) (レス) id: bc588715c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ななぽんさん» コメントありがとうございます！ うわっ！叫ばせてしまいました（笑）(内心はガッツポーズしております) ありがとうございます！頑張ります😆 (2022年1月25日 21時) (レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - かりんさん» コメントありがとうございます😊 ☆いっぱい押してほしいです☺️一度しかないって悲しい！でもそのお気持ちだけでも受け取っておきますね！ (2022年1月25日 21時) (レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
ななぽん(プロフ) - わたなべええええええええ！！！！な展開最高です。面白すぎて毎日心待ちにしています！ (2022年1月25日 20時) (レス) @page42 id: 9658e76aab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年12月8日 23時
