CHERI E 431 ページ31
・
VLIVEが終わった後のプールは静かで、
見たくもないはずなのに
こんな空間が何気に好きだったりする。
風も何も吹かない室内プールだけど、
恐怖心とか何も無いし
遠目から見ても水面を見るのもそんな好きではない。
バンジージャンプで高所恐怖症が治れば御の字。
私は海洋恐怖症なのを自覚してるから
きっと余計怖いんだろうけど…。
SG「何してんの」
「…さぁね」
SG「ふーん…、恐怖症克服なら付き合うけど?」
「面白がって言うと痛い目見るわよ」
SG「ごめんって」
意外にも残っていたのが驚きなのだけど。
いや、戻ってきたのが正しいのかしらね。
ディスプレイには何件か来てる連絡
電話だったりカカオだったり合って開いてもない。
ユンギがどうして此処に辿り着けたかは
私も定かじゃないけど大方マネージャーさんに聞いた
そんな所かな。
プールも海も嫌いな私を不思議がっていたから
きっとそうだと思うけど。
SG「電話やらカカオやら出ろよ」
「気づきもしなかった」
SG「おい」
「でもこうして来れたんならいいじゃん。
マネージャーさんにでも聞いたんでしょ?」
SG「おー」
「冷たい?」
SG「まぁ…生ぬるい感じ?
温水だからそんなに冷たくはない」
「ふーん」
SG「A」
「なに?」
SG「足だけでもつけてみ?」
「やだ」
SG「大丈夫だって、死なねーからㅋㅋ」
「本当に無理なの」
SG「来い来い」
「やだっ、本当にやめて、嫌いになっ…!!?」
プールにも海にも入った事がないから泳げない。
だから怖いし怖くてたまらないから
何かにしがみつこうと必死に藻掻く。
パニック状態だから息が苦しい。
本当…
来るんじゃなかった
「っはぁ、ちょっ、はぁ"ッッ」
SG「おーおーおー、大丈夫大丈夫だって。な?」
「っはぁ、大丈夫じゃないから!
本当に怖いんだけど!しかも苦しかった!」
SG「大丈夫、生きてるから」
「そういう問題じゃっ、ふっ、ん」
SG「落ち着け」
「…無理よ、怖いものは怖いもの」
SG「引っ張り過ぎたのは悪かった。
足着くからそろそろ伸ばしてみろよ」
「……、もう少しこのままでいるわ。
慣れない水の中は、私には未知の世界だもの」
SG「そこ迄未知でもねぇよㅋㅋ」
「どうだかね」
髪が濡れた。何なら頭から濡れた。
プールに浸かった体はゆらゆらと揺れてる。
髪の毛から滴り落ちる水滴が落ちて波紋する。
何気にこんなに綺麗だったのね。
135人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:RIKU | 作成日時:2021年1月17日 18時