鷹 の 美 人 さ ん

鷹 29 ページ29

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《 野球ファン 》



.｢わっ、はっ！いた…ｯｯ！｣



思わず出てしまった声だけど、この盛り上がりだし、流石に聞こえてないよね…。

特に推しと呼べる程、1つの球団を応援してる訳じゃなく。唯々野球が好きで観てはいるものの。矢張り、オールスターゲームは面白い。

普段は球団同士の戦い。しかしオールスターゲームともなると、セ・リーグとパ・リーグの戦い。球団の中から選抜された選手がチームとなって、普段は違うリーグ同士の試合。これ程迄に面白くも端的に観れるものはない。

そして、この度…。私にもついに推しが出来てしまった。


そう、何を隠そう。ホークスの広報のカメラマンさん！！髪の毛は長髪ではあるけど、高身長で。正直男性でも女性でもどちらでもいい。兎に角好き。マスクとホークスのロゴが入った帽子で隠されたその素顔。

鷹ガールの奇跡の一枚で惚れてしまったその横顔は、本当に惚れ惚れしてしまう。

Twitterでも何でも、SNSの類の中では今、鷹のカメラマンさんは何かと話題となっているけど、情報が一つもない。そんな所もまた、好きなんだけどね。




..｢あっ！あのカメラマンさんじゃない？｣
...｢ああ！ホークスのカメラマンさん！｣

..｢どんな人なんだろうねぇ？｣
...｢オリ戦の時、ボールキャッチしてたの見たけど、
凄くかっこよかったんだよ。動画見る？｣
..｢見る見る。…うわー、これは惚れる♡｣
...｢だよねぇ♡｣




ほう。それはそれは素敵だ。動画は是非とも見たいけど、流石に気が引ける…。それに声を掛けようとも、性格が邪魔をしてそもそも無理だ。

いいなぁ、オリックス戦私も見に行けばよかった…。仕事さえなければ…っ！！




...｢っわ！｣
｢｢ あっ！ ｣｣




一瞬の静寂が、会場全体の空気を瞬時にどよめきに変える


強い風が、近くにいたファンの方の帽子を攫った。その風が、まるで味方をしたかの様で、1人のカメラを抱えた人の帽子を飛ばした。

偶然、モニターにはその人が映った。それを見た会場の観客には、まるで色とりどりの色が、声色によって会場を包む。

中性的な顔立ちは、凄く端正に整っていた。あの時、1人の鷹ガールが捉えた、カメラを覗く横顔の様に、飛んで来た帽子を目で追って走って、掴んだ。

それだけなのに、心臓の高鳴りは過呼吸を起こす位速くて、動悸が鳴り止まない。

好きってこういう事何だと、初めて知った。





｢｢ 綺麗… ｣｣


..｢っで、ですよね！見ましたか！？｣
.｢み、見ました！｣
...｢ぼ、帽子！わたし、わぁっ、｣

.｢あっ！大丈夫デスカ！？｣
..｢気を確かに！｣









#荒れた(いい意味で)

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