鷹の美人さん (ページ15)

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鷹 15 ページ15

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《お隣さん》

特別残業をする必要は無いんだけど、それでも終わらせてしまいたい物は、何が何でも今日には終わらせたい。そんな時が無性に現れてしまう時がある。それが今。

あ、前回に引き続き早い段階での登場失礼します。宵宮さんのお隣さんの、櫻葉です。

いつもなら定時で上がって、スーパーでお買い物をし、その日の夜ご飯を作っては、その日の一日を終えるのが私の日常であり、ルーティンではありますが、資料作成に行き詰まってしまい何とか最終段階近くには来たんです。

櫻葉｢あ…痛い…｣

終わらせたい。これはまだ残業する迄もない資料作成ですが、どうしてもと思い数時間。目が、目がぁ…。今なら某ムスカさんのあの時の気持ちが分かる気がします。

ブルーライトはバルスの光の様で、長時間パソコンとにらめっこをした結果、勝者は発光ダイオードですね。恐るべし、ブルーライト…。

「あれ、珍しいですね」

櫻葉｢宵宮さん…。
資料作成を今日終わらせたくって、つい｣

「そう言う時ありますね。
早く終わらせて、少しの楽をする為に」

櫻葉｢正しくその通りです笑

宵宮さんも、学校の宿題なんかは、
早く終わらせるタイプでしたか？｣

「放課後、友達と宿題をして帰っていましたね」

櫻葉｢勤勉ですね…笑｣
「学校でやった方が早かったので笑」

何処迄素敵なんだろう…

入社して約半年。私にとっての癒しは、こうして宵宮さんとゆったりとお話をする、この時間が何気に好きだったりする。宵宮さんの話し方といい、声色だったりが、何だか落ち着く。

「あ、そうだ櫻葉さん」

櫻葉｢はい｣

「これあげます」

櫻葉｢え、でも宵宮さん自分の為では、｣

「少し作業をするので買ったんです。
良かったら是非。差し入れです笑」

櫻葉｢ありがとうございます。いただきます笑｣

宵宮さんから、初めての差し入れ…笑これはこれで、今日残ってて良かったかもしれない。

普段は甘いチョコレートを好んで食べるけど、このビターなほろ苦さが、甘いミルクチョコよりも美味しく感じる。宵宮さんがくれたからなのか、それとも自分の味覚が変わったのかは分からないけど。

ふふ笑美味しい…

櫻葉｢美味しいですね｣

「ですね笑早く終わらせて、ササッと帰りましょう」

櫻葉｢はい笑…あ、あの、｣

「はい」

櫻葉｢…夜、空いてますか？
よ、良かったら、そのっ、ご飯でもどうかと…｣

「っふふwいいですね、行きましょ」

櫻葉｢良かった…笑

そんなに笑いますか？｣

「いえ、w切羽詰まったお誘いだと思って…

ごめんなさい笑」

#意外とツボが浅い…

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