Re:#1 ページ1
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｢ちょちょちょ！何やってるの君！！｣
とある夜の公園
木に縄を括りつけて
その輪っかにぶら下がってる1人の男の子
ぶらーんとぶら下がって
まさにそういう事だろう
｢きゅ、救急車！
すみませんもしもし！｣
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───────────
───────
「ん、ここは天国か…」
｢あ、気がついた？よかったー｣
「なんだ、病院か…」
｢無事そうでよかった｣
「助けたのは貴方ですか」
｢あぁ｣
「ちぇっ」
｢え｣
「ま、通りすがりの人に助けられてもらっては
矢張り人目のつかないところでやるべきだった…」
一体何を考えているのか…
人の思考なんて見えるものでは無いし
その人が思っていて考えている事なんて
他人には分かるはずなんてない
けど、この子の考えていることは
全くもって読めなくて、とても怖い
｢君、親は？｣
「何故話す必要が？」
｢こんな事をして、連絡も来る気配もない｣
「じゃあそれらが分かっているのなら
あなたにだって分かるでしょう」
｢そうか…｣
即ち親はいない。
だからこういう事をしても分からないってことか
声色とは裏腹に、瞳の色は真っ黒で
全くもって何かを写そうとはしない
そのテンションとは裏腹で
笑っていても、影があって
何度も繰り返してしまうかもしれない
｢君、うちに来るかい？｣
「遠慮しとくよ。
誰かわからない素性のしれない人に
世話を焼かれる筋合いはない」
｢いや、うちに来てもらうよ
またもう一度繰り返ししかねないからね｣
「おじさん…
僕は何度もやってるけど？」
｢はぁ…、手続きをさせてもらうよ｣
孤児院には入っておらず
1人で淡々と生きていたらしく
少し古びていてもレトロなアパートメントで
本来の役目を果たしていない冷蔵庫と練炭
ガムテープの貼られた窓の縁
床にはロープが落ちていて
キッチンには包丁すらない
｢君、よくこれで生きてこれてたね…｣
「嬉しくない事にね」
｢まぁいいや…いや良くない
荷物はそれだけ？｣
「そうだけど？何か問題でも？」
｢君は欲望でもないの？｣
「死こそ僕の欲望であり願望ですかね」
｢…それ以外には？｣
「人に迷惑のかからないクリーンな死、ですかね」
｢あはは…｣
口を開けばそればかりだな…
もう何も聞かないでおこう
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作者名：RIKU
| 作成日時：2016年8月28日 23時
