四次元。32 ページ32
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「アリは、ちゃんちゃん、今日も、ちゃんちゃん
はたらーいてーいーる」
松田「どういう感情?笑」
「お、熱男さーん」
松田「すずもバッティング手伝うよ」
「ひひっ、やった笑」
新調したらしいバットでまた一段とフォームも打球の感じも変わった気がする。数年間はそこそこ知ってるつもりではいるけど、すずは自己分析が凄いと思っている。
自分の事だからよく知ってるってより、キャンプに入れば初心を振り返ってフォームを立て直したり、見直したりしてる所には驚いた。ヒットは多く多発させるし、守備につけば糸を引かれてるかの様にそこにいる。それに強肩。周りをよく見てるからこその、ちょっとした油断を突く様に盗塁をする。
" 伸び伸びと育てられた " って言葉は聞こえがいいかもしれないけど、何かを叩き込まれた訳でもなく、唯々すずが見て学んだ事だから何も言えない。
松田「すず、もう少し肘引いてもいいかも」
「はい」
松田「あたる部分の感触は掴めた?」
「大体って所ですかね」
松田「いい感じ?笑」
「まぁまぁですよ笑」
言う割には結構いいあたり方してたと思うけど、まぁ本人が言うからそこは咎めない。
それにしても、だ。体格が良くなった気がする。そりゃ鍛えるから体格はよくなるし、筋肉も昔よりは着く。だけどやっぱり、すずを高校生の頃から知ってると、周りから見て華奢だったのが今じゃ引けを取らない位大きくなった。
高校生って言っても、高三の頃だけど…笑てっきり制服で来るかと思ってたら、私服でしかもラフな格好で来たから、あの頃は吃驚したし、学校名と制服がないって事に言葉が出なかったのを思い出す。
松田「すず」
「んー?」
松田「ネクタイ結べるようになった?笑」
「もう出来ますよ!出来るようになりました!」
松田「ははっ良かった笑」
「熱男さんは、引退して何か変わりました?」
松田「えー?んー、まぁ癖は中々抜けきらないからなぁ笑
でも、引退してから子供たちとの時間だったりもあるし
それはそれで変わったな」
「スポーツ選手ってそういう所ありますもんね」
松田「まぁな笑すずは?どうなん?」
「俺未婚ですし、そもそも交際相手もいないっすよ」
松田「すずはまだまだ野球だな笑」
「人より野球の方が触れ合ってる時間は多いかもしれない」
何ともすずらしい
友達も多いけど、何かと試合やらオフだったりでしかあまり会わないだろうし、確かにそう考えると野球してる事の方が多いな。
「「 おぉー! 」」
松田「1番いいあたり!」
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作者名:RIKU | 作成日時:2023年11月11日 11時