四次元。26 ページ26
Sh28
「肉まん食べる？」
高橋「食べる」
綺麗に半分に分けられた肉まん
と、それから待ち合わせにいつも遅れるすず。この間迄ロッテの藤原恭大とスキーして、そこから約束して今に至ってるけど、長らくチームメイトだったすずとも離れるのもやだなぁ。交流戦くらいでしか合わないだろうし、会えるとしてもオフシーズンとか位だしなぁ。
連絡先を持ってるだけマシだとも思うけどね
「さむー」
高橋「ふふ笑赤鼻のトナカイみたい笑」
「礼さんも頬赤いよ」
高橋「それはすずを待ってた所為でもある」
「んふふ笑冷たー」
さっき買った肉まんでほんのり温かくなってるだろうけど、それも直ぐに吸い取られて冷たくなってる手。顔が小さい割に、大きい手はいつも同性だけど、綺麗な手だなって見てて飽きなかったな。
仕返しにすずの頬に手をあてれば、いつもの四角い口で笑う顔も。飽きずに好きな顔。かっこいい所もあるけど、年下特有の可愛さと、性格も相まって弟みたいだった。
「礼さんが思ってるの知ってるよ、俺」
高橋「えー？笑」
「礼さんは寂しがり屋なのに、
過去形にして離れ離れにするのだめだよ」
高橋「…すずっ、」
「んふふ笑やっぱ淋しがり屋やー」
夜はいつも楽しい
シーズンの時、気晴らしにホテルから一緒に抜け出して深夜にも関わらず散歩したり、24時間のカフェとかでテイクアウトにホットコーヒーとか買って、真夏にも関わらず2人で飲んだりして。
俺が不調になれば隣にいるし、好調でも隣にいる。人の懐に入るのが上手いから、どんな人でもそこにいるだけで落ち着いたりもする。それが寿々花A。
高橋「すず、」
「んー？」
高橋「もし不調になった時電話してもいい？」
「えー、やだ」
高橋「何でよー笑」
「だってその時は俺が礼さんを連れ戻すから」
高橋「ははっ笑本当に？」
「うん」
相変わらず、突拍子のない様なすず節
そうしてくれると嬉しいけど、でもそう言ってくれるならまだ頑張れるな。それに俺だけじゃなくて圭輔も一緒のチームだし。
いつでも会えるという訳じゃないけど、確かに一生の別れでもない。だけど寂しいものは寂しいし、やっぱすずが居ないのもなってのもある。この突拍子もなく、いつ来るかも分からない驚きを見せるすずがいる事に安心しきってたから。
高橋「すずのプレーを近くで見れなくなるのはやだなぁ」
「俺も、礼さんが驚いた時に
口あんぐり開けてる顔が見れないのはやだなぁ」
(それ褒めてる？)
(褒めてる通り越して寂しがってる)
(可愛いヤツめ笑)
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年11月11日 11時
