猫。8 ページ8
B 9
「もしもし」
石川「誰と電話してんの？」
野口「さぁ？由伸さんじゃないんすか？」
石川「いや、由伸の時はあんなんじゃない」
そこ迄俺は知らないっすよ…。正直ももさんが誰かと電話してるのなんて、俺初めて見ました。まぁ、電話位はするとは思うけど、大体いつもももさんのスマホをチェックしてるのって、由伸さんと亮さんだから、持ち歩いてる姿に感心する。
そもそも、友達って言うか知り合いも沢山いるだろうけど、ももさんって、何方かと言えばその場で会った時に話して、連絡はそんなに取らなさそうなイメージがある。
だからこそ、何か気になってきた
「ん、じゃ頑張れー」
石川「Aさんが電話なんて珍しいですね」
「俺も電話位はする」
野口「誰とだったんですか？」
「友達。試合前に電話するって言ってたから」
｢｢ 試合前…？ ｣｣
野口「もう試合終わってますよ」
「いや、試合前。バスケの」
石川「…え、？」
「富樫の方の勇樹と電話しただけ」
意外にもももさんが野球選手以外の友達がいたとは…。まさかの発見と意外な一面。ももさんって本当に色んな人と仲がいいんだなぁ。
でも、ももさんって野球選手の友達だったり、富樫勇樹選手だったりと同性の友達が殆どだからか、異性の友達がいる様には見えない。そこの所はどうなんだろう。
野口「ももさんって、異性の友達とかいるんですか？」
「異性…んー、いない。話す程度には話すけど、
連絡先を交換して迄話す人はいない」
野口「そうなんですね」
「でもそもそもあまり女性とは話さないかな。
何話したらいいか分からないし」
石川「あ、それAさんっぽい」
「そうなんだ笑」
またも意外な一面だ。女性慣れしてそうって言えば聞こえは悪いかもしれないけど、男女問わず話せるタイプの人かと思ってた。
それに、ももさんって人付き合いが上手な人で、自分から話しかけず動かなくても人が寄ってくる様な、何処か学生の頃の憧れが詰まった人だから、現代でいう陽キャタイプの人かと思ってる。でもももさんのタイプって、陰陽分け隔てなく優しいって感じがするから、陰キャタイプの人でも好まれやすそうな人。
大人だなぁ…
石川「そう言えばAさん、いつ長崎入りします？」
「あー、俺柳田さんとご飯行くから今日には出るよ」
石川「え！？何時ですか！？俺も一緒に行きます！」
「分かった」
野口「ももさん」
「ん？」
野口「ももさんって、大人ですね」
「そう？智哉も十分大人だよ」
野口「…へへ笑」
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月24日 9時
