猫。7 ページ7
B 2
今日も今日とて相変わらずに、Aさんがボーっとしている。けど、試合も中盤を迎えてる中でAさんのこの状態は珍しい。
大体いつも由伸がいるから寂しいのかな…。この2人いつも引っ付いてるし。いやそれでも、此処ぞとばかりに亮が引っ付いてるし、いてもいなくても此処迄はないか。
んー…だとしたら??
若月「Aさんどうしました?」
「ん?どうって?」
若月「いや、試合中にボーっとしてるの珍しいなって」
「…そう?」
若月「はい笑」
「んー…そうか…。どうにもないけど、
ただ勝ってるなーって思ってるだけ」
若月「ボーッとはしてないんですね笑」
「うん。強いなぁって思いながら見てるだけ」
若月「なるほど笑」
まぁ確かに。強くなったと思えば強くなった。自分が入団した年からの歴代順位を思い返してみても、一度は上位迄登りつめても、また次には次と低迷してたりして。
中嶋監督に入れ替わってからは、確かに上位に這い上がってる。決して歴代の監督が悪いと言う訳でもなく、唯々自分達のプレースタイルが変わったんだと思う。
「俺さ、健矢に謝らない事があるんだよね」
若月「え、何ですか?」
「俺が不調になった時とか、思い通りにいかなくて
何か何処かしっくり来ないって時、
心の中で健矢の所為にしてた」
若月「え…」
「健矢じゃないからしっくり来なくて、
健矢がいないから変になるんだってって心の中で思ってた」
若月「…酷い笑」
「うん。だからごめん」
若月「今はどうなんですか?」
「ん?全部亮の所為にしてる」
若月「あははっ笑」
「亮がこれを投げてって言ったから投げたら打たれて、
亮が何かそこにいるから投げてるのに」
若月「理不尽www」
あまり怒ったり苛立ったりしない訳ではない。けど、表には出さない人だからか、内心そう思ってたんだと聞けば、何とも人の所為にして、あたかも自分は悪くないと言う思考をしてたとは思ってもみなかった。
だけど、不調だったりそう言った原因が俺じゃないからって言われるのは、何か好き。亮が来る前は俺がAさんの女房役だったのは確かだから。変わった時は、俺だけが気にしてるものかと思ってたけど、Aさんも気にしてたんだなって思うと嬉しい。
理不尽には変わりないけど
若月「て言うか、何かそこにいるからってのは
あまりにも酷すぎません?笑」
「うん…笑」
若月「キャッチャー何だからそこにいますよ笑」
「うん笑」
#不調を人の所為にしない(若月)。はい(百々瀬)
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作者名:RIKU | 作成日時:2023年8月24日 9時