猫。6 ページ6
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【 気が許せる友達 】
夜も遅い中、自分でも相手に迷惑な時間だと思いつつも電話をかければ、意外にも電話に出ては｢んー、はーいー？｣何て、伸びのある声色に、酷く安心感が来ては何処か強ばった体に力が抜けていくのを感じる。
日本代表のキャプテンとして選ばれた時も、こうして電話をかければ｢すごーい｣に続いて｢おめでとー｣と言われた。
スポーツ選手ではありつつも、違うスポーツをやっていても尚Aの声や性格は、チームメイトや友達には越えられない安心感がある。
" どうしたー？ "
富樫「いや？声聞きたくなっただけ」
" あーそう、そう言えば凄い活躍じゃん "
富樫「そう？」
" うん。勇樹の洞察力が皆を動かしてるね "
富樫「A」
" んー？ "
富樫「どうしたらさ、何か…何だろう…。
Aみたいに、平常心で挑める？」
同い年であるAの活躍は、自分自身のプレーや精神面での部分でも羨ましい部分でもあり、それでいて学びにもなる。同じスポーツをやってる訳じゃないし、Aが所属してる球団の場所だって関西だから、頻繁に会える訳でもない。
ただこうして、時々Aに電話したり遠征先で同じ場所や近い所にいれば、時間が合えば会う位。
でも、試合に出るAを見た時、その平常心な所や集中力は凄くて、勝っても負けてもメンタル面の起伏の変動が大きい訳じゃない。
だからこそ、それが羨ましい
" そうだなぁ…、考えてる事はあまり変わらないんだよね "
富樫「うん」
" もし自分がヤバいなってなったら、
勇樹の場合、何処か落ち着く場所で深呼吸してみたら？ "
富樫「落ち着く場所…」
" うん。落ち着く場所。トイレでもいいし、
静かな所とか逆に賑わってる所とか。人とか "
富樫「それは、Aでもいいの？」
" 俺ぇ？笑まぁ、それで勇樹に力を与えれるんだったら、
それはそれでいいんじゃない？笑 "
十分力を貰える。続け様に｢キャプテンの重みって凄いね｣って言われたけど、本当にそう。重圧と言うか、何と言うか…。それでもAは、｢俺キャプテンに向いてないから、選ばれた勇樹は凄いね｣って言葉を貰った。
でも、Aだってキャプテンに向いてると俺は思う。だって、スポーツが違うのにこうして気を配ってくれてんだもん。
Aの言葉で何処迄自分らしいプレーができるかは、また次になってみないと分からないけど、何だか行ける気がしてくる。
" まぁでも、WBCで優勝しちゃったからね。
頑張って、勇樹 "
富樫「最後の最後でプレッシャーかけてくんじゃん笑」
#頑張れ
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月24日 9時
