猫。48 ページ48
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Aさんのスマホが鳴ってた、って言ってもマナーモードにしてるから音はなってないけど。それでも俺が起きた時時でも画面が光ってた。
ロックの解除番号なんて知ってるから簡単に開けるから、開いてみたら開いてみたで、電話通知は優に100を超える程で。履歴を見てみれば、その番号だけが異様にかかってきてた事に、朝からゾッとする。
いつから？いつから来てた？Aさんは基本的にスマホは出さないし、触るのも家で俺でも知ってる人との連絡で触る位だから、殆ど触る事はない。Aさんのスマホはこの一台だけで、他はタブレットとパソコンだけ。
通知の番号は明らかに携帯の電話番号なのが分かる。仕事の連絡でも流石にここ迄はかからない筈だし、そもそも球団側から連絡が来る。その場合はちゃんと登録された人の名前が表示されるからそれもない。
て事は、Aさんの電話番号が流出されてる可能性が高い。
流出してるとなれば、何処かのサイトに掲載されてる筈。もし流出されていなかったとしても、何処かで抜き取られたりした可能性も高い。検索で見たサイトでは大体がAさんが望んでたまとめサイトの方が多く、何処にもそれらしき数字は無い。
て事は後者か。
「…なにしてんの、」
山本「Aさん、いつから悪戯電話来てますか。
この件数明らかに悪戯所ではないと思いますけど、」
「つかれた、」
山本「え？」
「その電話番号見る度、つかれる。
いつからなんて、しらん。きゅーにきてたし、」
一緒に暮らしてて、一緒の家に帰って来てるのに…Aさんのこれに気付けないとか…。Aさんも言ってなかったってのもあるけど、こっち向いて丸まってるAさんを見て、気付けなかった事に不甲斐なさを感じつつ、憤慨が顔を出す。
あまりストレスを与えて欲しくない人に、こうして精神的ストレスを与えてるとか、まだつい最近あった記事の方が可愛く見える。
山本「Aさん、スマホ借りますね」
「んー」
山本「Aさん今日は家にいますか？」
「…分からん、でもドーム行くかも」
山本「分かりました。
帰りは絶対誰かに送ってもらってくださいね。」
「ん」
スマホは取り敢えずバックアップするものはする。電話番号は変える方向として、この電話の相手が誰なのか突き止めるか。
Aさんに危害を与える事はこれ以上はしたくないし、俺も俺で直接対峙は出来るだけしたくない。警察にも連絡はするとして、もしかしたら家を突き止められるのも時間の問題かもしれないから、引越しも考えよう。
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月24日 9時
