猫。42 ページ42
B18
Aさんに迷惑だと思われているかもしれないけど、それでも悔しい試合こそAさんに抱きついていたい。勝った時もどの道一緒ではあるけど。
歩き難そうに進みつつ、ソファーに座れば座ったでお互いの口から吐き出る溜息がタイミング良く漏れた。
Aさんも中継ぎとして出てた。Aさんの溢れ出る安心感って多方面に溢れてて、ある意味気が緩みがちになるのは、俺の中の落ち度だと思う。
山本「Aさーん」
「んー？」
山本「癒して、今だけ」
「んー…癒す…どうしようか」
山本「はぁ、」
「今だけ嫌な奴になっていいならなろうか？」
山本「んふ笑Aさん嫌な奴になれるんですか？」
「うん」
山本「どうぞ？」
「今日勝ち投手とセーブになった人より、
由伸の方が勝率は高い」
山本「まぁまぁまぁ、笑」
「まぁでも、失点は由伸のが多いけど」
山本「俺癒されたいのに何でそんな事言うんですか…！
いじわる…」
「嫌な奴になるって言ったじゃん笑」
山本「良い奴に変わってください」
「良い奴ー？そうだなぁ…。
舞洲からの復帰でノーノーで完封したのは凄かったし、
それを色んな人の闘志を沸き立たせたのも凄い。
あと、」
山本「？」
「まぁ、由伸が今の俺の原動力みたいなもんだから、
そこそこ励みにもなってるし、落ち着いていられる」
…これだからこの人は…！！
普段そんな事言わないくせに！行動でもあまり見せないくせに！こう言う時ばかりそんな発言かまして！一体何を考えてるんだ。急に、俺がAさんの原動力とか言われたさら、落ち着いてられるし励みにもなってるって言われたらさ。
え、Aさんも俺の事好きって事でいいの？いや、Aさんはオリメンなら皆好きだし、何なら友達も好きだから、好きの方向性の違いはは見たくも聞きたくもない。
「寝よ」
山本「え」
「俺寝る」
山本「Aさん」
「ん？」
山本「俺も寝ます」
「ん」
Aさんと同居して早数年。基本的に4年位は寮に入らなきゃだけど、そこを2年で退寮しAさんと一緒に住み始めた。大体の使ってるものはAさんに任せてるし、特に匂いなんかには拘りなんてないから、必然的にAさんと同じ匂いになる。
これがどんなに幸せか分かるか？って、全百々瀬Aファンの人達に聞いてやりたい。
好きな人と匂いが同じってだけでも幸せを感じるのって、本当いいよな…。
(よしのぶ)
(はい)
(鼻息)
((やべっ)ごめんなさい)
･
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月24日 9時
