猫。41 ページ41
B 3
安達「どこ行くん?」
「ん?トイレ」
安達「いってらー」
「んー。ボイコットしてくるー」
安達「何、大か?笑」
「多分違うかもしれない」
ただのトイレであっても、今はもう無くなったAの昔の習慣が今でも思い出す時がある。
どんなに自炊が出来て、掃除も洗濯も出来ていても。Aが心配される一番の要因が昔ながらのそれに繋がる。
入団当初、一番に大きかったのが出身地が含まれた自然災害によって、トイレに駆け込んでは試合が始まる迄ずっと籠っていた。そこで何してるかなんて言えば、言わずもがなで。出したくも無いものを無理やりにでも出させるから、勿論そこにはタコだって出来る訳で。
落ち着く迄、便器に顔を突っ込んだAの、丸まった背中を摩る事しか出来なかったけど。
今思えば、岡田監督から始まってんだもんな。A専用のあのノート。受け継がれに受け継がれて、中嶋監督の手元にあるノート。多分もう、何冊目かにはなるだろうな。
Aの食べる事が苦手なのは、実はそこから来てたりする。
安達「あ、帰ってきた」
「帰ったらダメなら帰る」
安達「ややこしいわ笑」
「安達さん、聞いて」
安達「何?」
「トイレットペーパーが無くなりかけで、一瞬焦った」
安達「誰しもが使う所の運命な所あるよな、トイレ。
んで、どうした?」
「いや、中に入って鍵かけた後に気付いたから
ストックを常備してる所見つけて補充しておいた」
安達「優しっ!笑」
「いや、自分の為だから」
安達「そこは別に他の人の為でもいい所やん笑」
「いや、ちゃんと自分の為」
安達「何のこだわり笑」
「自分の身なりの為のこだわり」
安達「大概男って、用足したらそのままじゃね?」
「俺トイレは座ってやる方だから」
安達「俺さ、Aって潔癖かと思ってた」
「え、ずっと?」
安達「うん」
「安達さんは、俺の事まだまだだね」
安達「いや、これでも割と知ってる方ではある!笑」
「その知ってる人が、俺の誕生日のプレゼントが
豆まきセットなのはおかしい」
安達「それは節分の日に生まれた人間の運命」
「じゃあ、全国民が何かと祝日に誕生日迎えた人は、
安達さんの考えではそれが運命って事ですか?
じゃあ、山やら海やら敬老やらが誕生日の人は、
皆海と山と老人をプレゼントするんですか?凄いですね」
安達「俺、そこ迄考えてねーよ…笑」
(俺建国記念日に生まれたかったな)
(何で?)
(そしたら安達さんが国をプレゼントしてくれるから)
(それはない)
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作者名:RIKU | 作成日時:2023年8月24日 9時