猫。4 ページ4
B17
宮城「ももさーん笑」
「んー？」
宮城「俺誕生日迎えたんすよ」
「おぉー。何歳になんの？」
宮城「22歳です」
「2歳かー」
曽谷「はは…笑」
宮城「22歳ですって！」
「22歳も2歳もそう変わらんって」
阿部「待て、それは感覚がおかしい笑」
今日も今日とて宮城と一緒に来た2人。椅子に座ってる百々瀬さんの上に乗る宮城の物怖じしない所が怖い。まぁ、俺は今年になって入ったから、そんな2人の関係性と言うか年上に戯れる年下の子達が怖い。物怖じしなさ過ぎて。
選手の方々は優しい雰囲気もあるし、和気藹々とした感じではあるけど、百々瀬さんって見る限りでは寡黙的な人だからこそ、近寄り難く、話しかけ難い雰囲気に押される…。
「2歳の宮城にはチロルチョコあげる」
阿部「毎回思うけどさ、
ももって何でお菓子そんな持ってんの？」
宮城「あ、これビスケット入ってる」
「美味しい？」
宮城「美味しいです」
阿部「俺にもちょうだい」
「ごめん、ない」
阿部「無いんかい！笑」
「うん、ない。あ、曽谷君にもあげる」
阿部「え？」
曽谷「ありがとうございます…笑」
宮城「はははっ笑」
阿部「さっき無いって言ったやん！」
突然名前を呼ばれて、そんなに話した事も無い筈なのに名前を覚えて下さってるのが嬉しい。当の本人は騒ぐ阿部さんを無視して、宮城とチロルチョコ食べてる。
うわぁ、ただのチロルチョコが高級チョコに見える。何なら金の延べ棒にすら見える…。
「2歳の宮城には贅沢なプレゼントあげる」
宮城「…え？…え、え？」
阿部「うわ、え？」
「完全に俺の感覚でしかないし、唯々宮城っぽいのを買った」
阿部「確かにこれは2歳の宮城には贅沢やんな笑」
宮城「えー、俺泣きそう…笑」
「宮城が泣いたら俺刺されそうだからひっそり泣いて」
阿部「泣いてはええんや笑」
「そう。泣くならひっそりとお家で泣いて笑」
凄いな…。袋だけで分かるブランド物のプレゼントの1つがグラブだった。投手である人にとっては、人それぞれの型に合ったものを使ってるけど、これはこれで流石に使えない…。
でも、使えなくとも野球をする人間なら嬉しいものには変わりない。百々瀬さんの胸に顔を埋める宮城の写真を撮ってみる。
俺もいつか、こんな風に百々瀬さんに祝ってもらえるように、モチベーションとして取っておこう。
(電子レンジでチンしても溶けないよ)
(いや、流石にこれをレンジでチンする勇気は無いです)
(もも、俺の誕プレ期待しとくわ)
(阿部さんに渡す時は引退セレモニーの時かな)
(嘘やん)
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月24日 9時
