鷹 6 ページ6
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周東「毅さんと何話してたの？」
「え」
試合終わりの夕食時。隣に座った直後に問われた方を見れば、思わず２度見してしまう程に、ちょっとだけ不機嫌な顔をしてる周東さん。
何を話していたかと問われると、答えによってと言うより受け取り方次第で相手に悪い方に捉えられてしまうのは嫌だな。特に周東さんには。どうしよう、今になって私が和田さんに話してた事が失礼に値するのではと思えてきた。なんて答えよう…。
いやでも、こういう場合って間を取りすぎて仕舞えば逆に怪しさを増強してしまうのを、テレビのバラエティ番組か何かで見た事がある。
「えと、世間話です」
周東「の割に照れてなかった？」
「そこ迄見てたんですか…」
周東「いや単に憶測で言っただけなんだけど…笑」
なるほど…これが所謂嵌められってやつか。相手の仕掛けた憶測を推測に変えてしまった…。
恋愛において、こう言うのも浮気の範疇に入るのだろうか。例え正式的に付き合ってはいなくとも、お互いの気持ちを確認した上で、球団のいち選手と球団のいち職員として割り切っているものの、周東さんは私の我儘を受け入れて貰ってるから、何だろう…悪い事をしてる気分でいたたまれない…。
正直に言うべきか？こう言うのって。
和田「どうした？2人して」
周東「いえ、ただ毅さんと何話してんのかなーって思って」
和田「ははっ、気になるの？笑」
周東「んー、まぁ少しだけ？笑」
和田「素直だねぇ笑ただお互い熱中症に気を付けようって、
注意喚起しあってただけだよ。
特によいちゃんはね、皆を撮るのに夢中になるから笑」
周東「あー確かに。
ちゃんと水分補給した？日陰でもちゃんと休みなよ？」
「あぁ、水分補給もしましたし、
日陰のあるベンチで撮影してたので、まだ何とか大丈夫です」
和田「って言う話をしてただけ。
あと、富樫タオルの話題もね笑」
周東「持ってきてんの？また？笑」
「明日沖縄であるので、終わったら応援しようかと…笑」
あながち、そう言った話をしたのは確かだから、ほぼ嘘にはならない。ただその後の会話には触れず、話さずにしていればいい。
だけど本当、分からない。
一般的な恋愛において、世の中の恋人は何処迄を共有しあっているのか。そもそもこれは共有するべき事なのかどうなのか。考えれば考える程気持ちの部分が落ち着かない。
生憎私は、きっと小学生以下の恋愛をしている様だ。
(佑京)
(はい)
(後でちょっと話しある)
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月23日 21時
