鷹の美人さん [3] (ページ47)

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鷹 47 ページ47

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《鷹ガール》

選手との距離が近い席だと、選手とスタッフの和気藹々とした空間がよく見える。私はその風景を見るのが堪らなく好きだ。

1人での野球観戦はもう慣れたものだ。初めの内は少しだけ恥ずかしかったけど、でも1人で行く事が何だか楽しくて楽にもなっていって、今ではおちゃのこさいさいで行ける。

私は所謂隠れオタクで。周りが推しについて語ってる中で、野球問わずスポーツの話題にはどうしても聞き耳がたってしまって、それでいて心の中でベッドバンキングしては首を痛めている。

今ではその心の中の私が現実の私に影響を及ぼしている。首が痛い…。

だけど、ここの席を取るのには、もう1つ理由がある

.｢ふふ笑｣

カメラで撮る宵宮広報の頭を肘置きにしている…笑

されるが儘の宵宮広報は、気にする事なくカメラを構えては写真を撮る事を全うしている。その傍らでカメラを覗くのは言わずもがな周東選手。この2人はまるで兄と妹、姉と弟の様な感じがして、ファンの中では最近人気が高かったりする。

そう言えば、周東選手と宵宮広報の共通点ってお互い兄弟がいる事だよね。周東選手もお姉さんと妹さん2人いるし、宵宮広報もお兄さんとお姉さんがいるから、何だかお互い慣れた様な関係。

だけど時々、ほんの一瞬目を離した時に見えるのは、

.｢わぁ…｣

カメラから目を離した宵宮広報に笑いかける周東選手との間に流れる、ふとしたときの雰囲気が堪らない。

こんなシーン、ここのシートに座ってる人位しか見えないから、2人のこんな所を見つけてしまった時には、観戦する時はここを買うと決めている。

宵宮広報に笑いかける周東選手に、少し呆れ気味だけどそれにつられて笑う宵宮広報。先程迄見えていた兄妹の様な雰囲気から一変して、恋人の様にも見えるのもまた、密かに人気があったりもする。

.｢あ、怒られてる…笑｣

し、かも…え、え？？？？こっち見てる？こっち、私？え、指も刺されてるけど…、私、わたし、…タワシ？？？？

いやいやいや、そんな冗談はさて置きこれは果たして私なのだろうか…いやいや、でも私では無い誰かかもしれない。私の近くにお知り合いがいて、その方に手を振ってるってことも…。そうなるともしここで私が手を振ってしまえば羞恥心極まりない。

こ、ここ、は…

.｢ひゃぁっ！｣

周東「カッコよく撮ってくれてますか？笑」

.｢や、の、えと、は、はひっ…ｯｯ｣

「地元の方ですか？」

.｢へ"っ！？や、えと…ふ、ふくおか、デス！｣

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