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鷹 45 ページ45

Sh23







周東「寝た?」

「まだ、起きてます」




くっついて敷かれたふかふかの布団

友達以上恋人未満の様な関係ではあるけど、それもこれもこのシーズンを終わると恋人へと変わる。

お互い布団をくっつけた儘でAの方を向けば、綺麗な横顔が微かな障子の隙間から入る月明かりが照らす。本当、綺麗な顔。最初は、この顔に惚れた。凛とした美しさと真剣そのものの顔。だけどカメラを向けたその視線の先は宇宙か別世界を見てるかの様な目をしてる。

そんな顔に惚れて、そして、周りを見て動くそんな彼女に惚れた。負けが続いたあの日に涙を流す彼女に、嬉しそうに笑うこの子に。




周東「ねぇ、A」

「はい」


周東「Aの家族はどんな人?」
「家族ですか?」
周東「うん」


「こんな大人になりたいと思える人達です。
父も母も、兄も姉も」

周東「兄弟仲いいよね」


「これでも喧嘩はした事あるんですよ」

周東「どんな?笑」

「お母さんが作ったおにぎりの取り合いで喧嘩して、
最終的に私が食べたんですけどね笑」

周東「ふはっ笑充分仲良いじゃん」


「周東さんは、どんな家族なんですか?」

周東「俺?俺は、姉が1人と妹が2人いて、
よく、妹と一緒に遊んだり可愛がってたかなー笑」


「周東さんの性格からして、家庭内は明るそうですね」

周東「煩い位喋るからね」

「ふふ笑」



周東「だけど俺も、両親みたいな大人とかには憧れて
子どもの将来に背中を押せれる人になりたいな」

「素敵ですね」

周東「でしょ笑」




重たかったかな…。未だに付き合ってもいないのに、こんな話をして。5つも離れてる年の差で、23歳と言うまだまだ若い歳だけど、これから先Aが歳を重ねても俺以外の人とは恋愛をして欲しくないとさえ思ってしまう。

同じ職場であっても、アルバイト生だったAを見た事がある。その頃からの、俺の勝手な一目惚れ。新卒で入った時にまた、同じ人に二目惚れをした日からの。




周東「ねぇ、A」

「はい」


周東「あのさ、シーズンオフってもう直ぐだけど
条件追加してもいい?」

「条件ですか?」

周東「うん」


「なんですか?」



周東「…結婚を前提にさ、付き合って欲しい」




心臓がバクバクする

ドラフトで選ばれた時みたいな緊張感が昂って、眠気が吹き飛ぶ位心臓の鼓動が速くなるのがよく分かる。

それでも、ついAの顔を向くと、暗闇に慣れた目でも分かる程に顔を火照らせたAがそこにいて、目が会った瞬間に抱きつかれた。




「あの…えと…は、はい」









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作者名:RIKU | 作成日時:2023年8月23日 21時

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