鷹 44 ページ44
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「ふぅ…」
かぽんっと、まさにこう言う効果音が着きそうな位静かな露天風呂。今年は10月になっても朝晩が少し冷えるだけで、昼間はまだ気温が暑かったりもする。
だけどこの気温に、この温泉の温度…最高。日々の疲れが癒されるとはまさにこの事だと思う。
「ロケーションもいいなぁ」
山形の大正浪漫溢れる温泉街。昭和レトロも好きだけど、大正まで行くと確かに浪漫だな…。ここ選んで正解だと思う。
まだ雪も紅葉も始まっては無いけど、ほんの少しチラホラ見える所は見える。きっと紅葉も雪も素敵だろうし、春に来ても夏に来てもまた違った見方があるんだろうなぁ。位置は変わらずとも、風景1つ季節1つで雰囲気も変わるのもまた、素敵な場所。
日本ってそう言う所があるからいいよね
周東さんのお誘いを受け訪れた、山形の有名な温泉宿
荷物を置いて、観光をして。自然に囲まれながらカフェでお茶をして、山形の街をブラブラとして。
ここまで来ると、飛行機で行く甲斐がある
周東「お、ほっかほかじゃん笑」
「周東さんもほかほかしてますね笑」
周東「もうね、日々の疲れが取れる。ここ」
「ですね」
周東「夜ご飯だけど、お酒飲む?」
「いえ、周東さんが飲まないのに
目の前で飲むのは気が引けます」
周東「じゃあ、シーズンオフになったら飲もうね」
「はい」
何だろう…、私も日本人の端くれではあるけれど、周東さんは特に…浴衣が似合う…。
生まれも育ちも日本なら浴衣も早々に似合うものなのだろうか。だとしたら私も日本生まれ日本育ちが…いや、生まれ育った場所を悪くは思ってる訳では無い。ニュージーランドはニュージーランドの良さがあるし、日本は日本の良さがある。
だがしかし…よく分かる。全てが。
周東「宵宮さん」
「はい」
周東「すぐそうやってカメラ構えるのやめてくれません?笑
盗撮で訴えるよ?」
「いや、よく分かるんです」
周東「何がよ笑」
「全てが」
周東「あぁ」
「"あぁ"…!?」
周東「ふふっ笑」
.「失礼致します」
「「 あ、はいっ! 」」
目の前で並ぶ料理は凄い
見栄えから伝わるこの細さとか、小さなものから大きなもの迄の細工は正に職人技で。技法からなる技術が全て手作りなのもまた、日本の職人さんは器用でかっこいいし綺麗。
周東「いいの撮れた?いい感じ?」
「いい感じです!ありがとうございます」
周東「いえいえ、後でちょうだい」
「はい笑」
周東「ではでは、Aさん」
「はい」
「「 いただきます 」」
(うっっっま…!)(美味しっっ…)
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作者名:RIKU | 作成日時:2023年8月23日 21時