鷹 42 ページ42
Sh23
あ、忘れ物してる
家の場所が同じ方向と言う事を知ってからは、Aを送る様になってから数ヶ月。いつもバッグ何かは自分の膝の上に乗せてるし、今日も今日とてだったけど、それに気付く事無くお礼を述べてから帰ってった。
まだ発車してない時だったから良かったー
｢あの、｣
周東「へ、え、俺…っすか？」
｢貴方が妹の彼氏ですか？｣
周東「妹…え、あなた、は？」
｢朝日が言ってたの本当だったんだ…。
あ、朝日とAの兄の凛太郎です。宵宮凛太郎｣
おに、うわ、え…え
初めて見た…。朝日さんは以前見た事あるし、その時にそこそこ話したりはしたけど、まだ付き合う前だったからその後は会ってもないし話してもないけど…こう言ったらあれだけど、似てる。
この人と朝日さんの丁度中間がAって感じなのがよく分かる。思わずまじまじと見てるけど、失礼だよな…しかもこの人の職業がなんなのか直ぐに分かる程、その襟元に付いてる金のバッジが光ってる。
周東「あの、まだ…付き合ってないんです」
凛太郎｢え？朝日から付き合ってるって聞きましたけど…｣
周東「いえ、告白したのはしたんですけど、
その…Aさん、が
シーズン中には付き合う事は出来ないと」
凛太郎｢え、…マジ？｣
周東「マジ…っす」
凛太郎｢まぁ、言ったら頑固だもんなぁ…あいつ｣
周東「はは、笑」
凛太郎｢まぁでも、職場同じなんですよね？
なら、まぁ…これからもAの事宜しくお願いします｣
周東「あ、はい」
凛太郎｢でも、俺は貴方がどんな人かは知りませんけど
大切な妹を泣かせる様なふしだらな人なら、
僕達が何がなんでも別れさせますので、そのつもりで｣
周東「はいっ」
凛太郎｢あぁ後、Aの家行くなら
これも渡しておいてくれませんか？｣
周東「鍵…？」
凛太郎｢よく物を無くすんですけど、
さっき鍵見つけたので、それ合鍵です。Aの家の｣
周東「はあ…」
凛太郎｢じゃ、宜しくお願いしますね｣
すげぇ…、言葉に重みを感じる…。俺も妹いるし妹が結婚する時こそ、今みたいな言葉なんて俺も言うなぁ。
でも物よく無くすんだ…笑何か、それはそれで親近感が湧く。俺も偶に物無くして、忘れた頃に出てくるのも。
「はーい…え、周東さん」
周東「これ、忘れ物達」
「あぁ！ありがとうございます…鍵？何処の？」
(お兄さん来てたんだね。鍵見つかったみたいだよ)
(え、これバイクの鍵…)
(お兄さんどうやって帰るんだろうね)
･
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月23日 21時
