鷹 37 ページ37
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《 お隣さん 》
人は、時に滴り落ちる水滴迄も綺麗に見えるんだと、20年+3年生きてて初めて知った。
色んな選手を撮る宵宮さん。今日は私も私で帯同させて頂いてるものの、カメラを抱えてあちらこちらと向かっていれば、丁度宵宮さんが視界の端にいた。
櫻葉｢宵宮さん｣
「はい」
櫻葉｢ハンカチ、使ってください｣
「流石に櫻葉さんのハンカチで汗を拭く訳には…。
私のタオルはあっちに置いてるので大丈夫です」
自分よりも幾分か高い位置だけど、少し腕を伸ばせば届く範囲にあるその綺麗な輪郭に沿って滴る汗を拭う。
正直私はあまり気にしない。タオルでもハンカチでも洗えば済む事だと思ってるタイプの人間なので…。正直こう言う所が大雑把に見られがちなのだと、自分でも自負している。B型だと聞かれる事が多いが、私はA型です。
「すみません、綺麗なハンカチを」
櫻葉｢いえ、平気ですよ笑気にしないで下さい｣
「洗ってお返しします」
櫻葉｢ふふ笑気にしないで下さい、本当に｣
「ですが、」
櫻葉｢あ、じゃあ明日何処か行きませんか？
同期会、なんて…笑｣
「ふふ笑いいですね、同期会。
是非一緒に行きましょ」
やっぱり宵宮さんは、推しだ。ここ迄来るともう推しの範囲になる。それ位綺麗で優しくてカッコ良さも兼ね備えてるから、同じ部署に所属になって嬉しい。しかも、宵宮さん以外同じ部署での同期なんていないから、正直凄く心強い。
髪の毛をバッサリショートにした時より、数ミリ単位程伸びてるものの、長さ的にはあまり変わっていない。それでもこの、ボーイッシュさが何とも少女漫画系の綺麗めなキャラクターに出てきそうで、見てて保養となっている。しかもいい匂いがする。
櫻葉｢宵宮さんって、香水か何かつけてますか？｣
「いえ、あまり香料のあるものは苦手なので、
殆ど無香料のものを使ってますが…臭いますか？」
櫻葉｢あ、決して臭いって訳ではなく、
ただその逆でとてもいい匂いがするので、ちょっと気になって｣
「自分じゃあよく分かりませんね笑」
櫻葉｢とてもいい香りなんです。
何だろう…柔らかくて優しい匂いで、好きです｣
「ありがとうございます笑」
季節は着々と冬に近付いてるのに、何だか春っぽい柔らかくていい匂いがする。でもなんだかそれが、宵宮さんっぽい匂いであり、私としてもこの匂いは何だか好き。
「そう言えば写真撮ってるんですか？」
櫻葉｢え、…あっ！！｣
「え？…！！！！？」
#インスタライブ
●百合過ぎて好きよ、この同期
●もうこの同期一生推す
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月23日 21時
