鷹 31 ページ31
Sh23
「わ…っ」
周東「やん、変態」
「見てはいないのでご安心を」
周東「言うて見た事あるでしょ笑」
「私はノックしたので着衣してから開けるべきだと思います」
周東「あ、話し逸らした」
ファイルで顔を隠すAに、未だに服を着ていない上裸状態で暫く見てみる。いつになってもファイルを下ろす気はないらしい。
そう言えばこの状況前にもあった気がする。見られた覚えはあったけど、でもあの時はあの時で、俺脱兎の如く中に入ったからギリセーフ？
「監督います？」
周東「いるよ」
「お呼びして頂いても宜しいでしょうか」
周東「監督は今ギータさんと話してるから無理だね」
「そうですか…。ではまた時を改めて参りま、すっ！？」
此の儘で俺が帰す訳ないじゃん。幸い隣にある部屋は誰も使われておらず、鍵だけが開いていた。こんな都合のいい事ってあるのか、すげぇな。それに、Aの声がデカくなっていても、人の気配はないからこれも好都合。
部屋に入ったはいいものの、どうしようか。これでも一応ね、タンクトップは着てるのよ。だからギリ上裸では無いのに、Aが変に顔を隠してるだけ。
そんな裸で出て来くふ訳なのにね。
周東「あのさ、A？俺ちゃんと上着てるから」
「へぇそうなんですね分かりましたでは！」
周東「待って待って、笑」
「ななななんですかっ」
周東「流石にお兄さんもお父さんもいるんだったらさ、
成人男性の体位見た事はあるでしょ」
「流石に父も兄も着衣着脱は、
ちゃんとした所でのみ行っていました。
あまり見る機会は無かったです」
周東「俺だってそうだわ笑」
しゃがんでしまったAに視線を合わせれば、ファイルの隙間から微かに見える顔。何、ファイルで隠してても尚目瞑ってんの？？笑ギュッて目閉じちゃって、初だ。
それに俺以外でもこの会社で、しかも広報なら飽きる程見てるでしょ。なのに今更、タンクトップ如きでって思うのは俺だけ？
「それに、」
周東「？」
「周東さん、は…その…家族ではないでしょ、そもそも」
はぁ〜〜〜〜〜〜〜…だーめだこりゃ。何なんだこの生き物って位、人ってこうも惚れた弱みって握られるんだなぁ。
俺も今そのファイル欲しい。
そんなに年上を翻弄させて楽しいのか。何なんだ、自分が勝手に照れて赤くしてる癖に、それを伝染させるとかヤバい。
周東「Aさ、俺を一体どうさせたいの」
「どうもこうも何もさせたくないです」
#サンバは踊らない周東佑京
(いや、俺も踊ってない)by 栗原
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月23日 21時
