鷹 25 ページ25
Sh50
数枚写真を撮られてる音が耳に入れば、よいちゃんがそこにいた。カメラ越しでも目が合ったのか、顔を上げれば軽く会釈されてからまた、何も無かったかの様に再びカメラを構え出す。
本当、カメラ大好きな人だなぁ。何か撮られてる側だと恥ずかしいんだけど。気を紛らわせる様に話を振ってみれば、話してると段々気が紛れていくのが分かる。
楽しいって言うより、気が楽になるって言うか。試合終わりに、それなりに励ましで声をかけられたり、次次と言うお互いの声掛けもあって、それで少しは気も紛れてたけど、やっぱり悔しいものは悔しい。
何度か経験はあっても、それは何処迄もくっついてくる。
「野球って凄いですね」
板東「え？」
「詳しく知らない儘この会社に入りましたけど、
バスケよりも人との物理的な距離感って遠いじゃないですか。
ストレス耐性凄そう」
板東「そう見える？笑」
「まぁ、少なからずは笑
経験値0の人間からしてみればそうですよ」
誰かにパスを繋げるバスケは、人1人の距離感は確かに近いけど、その分フリースローの時なんかは、野球よりも凄い気がする。国同士の戦いとなると、テレビでも見たけどブーイングがあったし。
あー言うの程、メンタル的に強くなりそうだけど。
「あ、」
板東「いいよ、出てきて」
「すみません、はい--」
自分の好きな事が取り上げられたよいちゃんには、野球が好きでやってる人がどう見えてるんだろう。でもバスケ以外にも好きな事はカメラだから、取り上げられてはいない好きな事をしてるから、まだ楽しいんだろうけど。
周東「あ！本当にいた！」
板東「あれ、佑京じゃん」
周東「秘密の逢瀬っすか？笑」
板東「よいちゃんが忍者の如く入ってきたんだよ笑」
周東「あぁ、いつもの事か。
耳良いよねぇ、それでいて直ぐにスクープ撮りに行くじゃん」
「スクープって、何処かに売ったり何かはしませんよ、
っ、ちょ、わ」
兄妹みたいに戯れてる2人を見て、少しは楽になったな。明日移動日ではあるけど、ご飯でも連れて行こうかな偶には。
板東「今から帰り？」
周東「はい！でもその前に栗の顔でも拝みにいこうかなって」
「何処かのヤンキードラマか映画にありそうな台詞ですね」
周東「乗り込みに行くか！」
「警察沙汰にはなりたくないので、周東さんお1人でどぞ」
周東「いや、Aと湧梧さんが行くのもう決まってるから」
板東「俺も行くの？笑」
周東「で、その後ご飯食べに行く。
このルート以外考えつかないから俺」
#ルートとは…
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月23日 21時
