鷹 23 ページ23
Sh23
周東「ん？」
ツンっと引っ張られる感じがして後ろ振り向けばAがいた。さっき迄色々と動いてくれてたから、いつの間にか後ろにいて吃驚したけど、どうしたんだろう。
俯いてはいるし、顔が見えないから何とも読めない…。
周東「う…ゎ」
「では！」
周東「ちょーっと、宵宮さーん？？？笑」
何をするかと思えば嬉しい事をしてくれるじゃん。胸ぐら掴まれる勢いで服グシャッてたけど、そんなのに気にするよりもAそのその行動の方に気が行く。
でもさっき念入りに当たり見渡してたのはそう言う事か。建物内であっても、その辺に関しての念入りさには脱帽する。
だからと言って逃がしはしないけどね。
「わ、離してください…！」
周東「あんな事しておいて逃げるのは良くないよね？」
「べ、つに逃げようとした訳では、！」
周東「では！って言って走り去ろうとする
その魂胆は見え見えだから」
「や、あの…本当に、」
周東「言い残すことは？」
「和子さんにご報告を」
周東「その和子さんはもう帰宅してるから」
お、やっと観念した。自分で照れる位ならって思ってたけど、して貰って嬉しい事には変わりないから今を楽しんでおこう。
じたばたしてた体はもう落ち着いてるけど、未だにこっちを見る事をしないAを見ると、何だか加虐心が擽られる。何しよう、丁度目の前に項があるからお返しでもしようか。
誰しもがイケメンだとか綺麗だとか言われるAだけど、こうやって照れてるだけでも可愛いのに、髪の隙間から覗く表情は綺麗だったりする。
この子の構造って一体どうなってんだろう。髪を切った瞬間には、イケメンの言葉をよく聞くようにはなったけど、相も変わらず美って言葉はよく聞く。
「あの、離してください」
周東「離したら逃げるでしょ？」
「も、もう、観念したので逃げません。
て言うか逃げれません」
周東「まぁうん。でも俺がくっついてたいから却下」
「うわ…」
周東「ホームラン打つ度にこのご褒美貰えるんだったら、
俺毎回打ちたいな、ホームラン」
「ご褒美は時々貰えるから嬉しいものだと思うんですけど…」
周東「ふっ笑A言ったね」
「え、え？」
周東「じゃー、その時々貰えるんだったら時々頑張ろうかな」
「その満面の笑みが怖いです」
周東「時々貰えるご褒美もアリだわ。いい事聞いた」
「いや、何をするかなんて言ってないですからね」
周東「えー？なんてー？」
#時々貰えるご褒美の為に
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月23日 21時
