猫。8 ページ8
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中々呼ばれる事の無いAの名前を呼ぶ声が聞こえた。
もーちゃん…!笑大体ももか百々瀬とかの呼ばれ方なら聞くけど、もーちゃんは中々聞いた事がない。オリに入団して早数年、こんなにもレア度MAXなAの呼称を聞いてテンションが上がる俺。
いいな、俺も呼んでみようかな…笑
杉本「もーちゃん、呼ばれてるぞー笑」
「もーちゃん…俺?」
杉本「Aしかおらんって笑」
再び呼ばれるもーちゃんに、好奇心で俺もAについて行けば、小さな男の子が呼んでた。まぁ、何となく予想はしてた。もーちゃんなんて、年齢層が10代20代やそれ以上でも呼ぶ事なんてあまり聞かんし。
「こんばんは」
.「こんばんは!あんな、あんな…その、よーちえんでな、
もーちゃんのファンの子がおってな、」
「うん笑」
.「その子にもサインあげたくてな、ええかな?」
「いいよ?笑ぼくは誰のファン?」
.「ぼくは、けーたと一緒におる時のもーちゃんがすき」
「ふふ笑そうなの?あまり変わらないでしょ笑」
.「んーん、きょういっっっぱい笑っとった!
もーちゃんがぼーっとしとるのも好きやけど、
やっぱ笑った顔好きやねん!」
「ありがとう。お礼にこの帽子あげる」
.「ほんま!?ありがとう!いっしょー宝物にする!」
Aって子供好きよな…。まぁ、姪っ子おるし、その扱いもまた上手いから、決して嫌いな訳では無さそう。
でも誰に対しても目線を合わせて、どんなに小さな子でも屈んだりしてって、見れば見る程その子の恋心を奪って行く様な感じで、あーこうやってリア恋勢ってのは生まれていくんだなってのがよく分かる。
子供にも優しくて?老若男女問わず人気を博して、だけど距離感は保持しつつ、周りとの接し方が上手い。
「じゃあまたね」
.「うん!今日は負けたけど次は勝ってな!」
「うん笑」
杉本「次は勝たないけませんなー笑」
「関西弁ってそんな感じでしたっけ?」
杉本「ワザとやワザと」
「あぁ…ちょっとウザかった笑」
杉本「毒々しい…こわ…笑」
「置いていきますよ」
杉本「待ってー」
裏表と言う裏表の性格はない。無いけどさ、Aってあまり毒を吐く事ってないからこそ、ボソッと呟くタイプで吐かれる言葉の毒性は結構猛毒並だと思う。
普段は猫っぽいのにな。今日だって、俺が頭触っただけでその後振ってたし。つんつんしてると思ったらさ、キーボードの上に乗って仕事の邪魔をする猫みたいに、俺のバット奪っていく時あるし。
俺だけ?こう言うの。だとしたら愛おしい。
(今悪寒がした)
(俺が温めようか?)
(え…)
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作者名:RIKU | 作成日時:2023年9月21日 11時