猫。50 ページ50
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少し温かみのある風が心地よく、緩やかに吹く風が百々瀬の髪を優しく撫でる。
サラサラと柔らかみのある髪質が、まるで1本1本揺れてる様にも見える髪さえも、彼の性格そのものを表す様に優しく揺れる。穏やかな空間に、静かに呼吸する百々瀬の周りは静寂に包まれていても、人工芝が生い茂る球場は賑わいがある。
だけどそんな人の賑わいも、彼には届いていない様で。おとぎ話のアリスがそこにいる。
太陽の柔らかい日当たりに、影が遮る
大谷「ももさーん」
「…ん、」
大谷「よく寝れるな、こんな所で…笑
しかももう少しで試合も始まるのに」
水原｢寝る子で育てられたんだね笑
翔平よりもマイペース｣
大谷「あー、それは言えてる」
「ん"んぅ…すーげよく寝た…っ」
大谷「おはようももさん」
「はよ…」
ぴょんと跳ねた寝癖
それが面白可笑しく、チームメイトの大谷は跳ねた寝癖で遊び始める。微動だにもしない百々瀬もこれには慣れた様で、ボーッとしつつも水原通訳と対戦チームの特徴を話し合う。
起きたばかりの眠気眼な百々瀬に、水原一平も微笑ましく思う
あれだけ老後の楽しみに取っておいた海外の舞台は、野球人生の幕は上がったまま、野球界での最高峰となるMLBの地に足をつけた。そこには、自分の人生に左右されていたキャッチャーからの、背中を押された事が大きく。矢張り百々瀬の野球人生には、キャッチャーに左右されている事が分かる。
だがアメリカへと飛びだっても、変わらず百々瀬がマイペースにできるのは、彼がいるからだ。
山本「Aさん」
「ん、由伸じゃん」
大谷「由伸とももさんって、初めてだっけ？
対戦相手になるの」
「うん」
山本「そう言えばそうっすね」
水原｢しかも一緒に暮らしてたんでしょ？｣
大谷「え、そうなの！？」
山本「今でも一緒に暮らしてますよ笑」
「お互い向かう所は真逆だけどな」
大谷「えー。だったらももさんこっちに来て下さいよ」
山本「無理です」
大谷「何なら俺と一緒に住みません？」
山本「翔平さん絶対他人と住むの向いてなさそう」
水原｢拘り強いもんね｣
大谷「そんな事ねーし！」
水原｢それにももくんも自分のペース崩されるの嫌そうだし｣
｢｢ あー ｣｣
大谷「それこそ向いてなくない？」
「あんまりない」
水原｢波長が合うんじゃない？
日本にいた頃から一緒に暮らして、
同じチームメイトだったから、それなりにね｣
「確かに」
山本「よっしゃ、翔平さん超えた」
大谷「けちょんけちょんにしてやる」
「やったれ」
山本「さっき迄味方だったのに酷い笑」
･
終わり
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年9月21日 11時
