猫。 [3] (ページ18)

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猫。18 ページ18

B11

｢｢うわぁーっ！！｣｣

「すーご、あの子」
山崎福「ね」

俺としてはAがここにいる事もそれなりに驚いている

苦手な所へは梃子でも動かないタイプのAでも、友人の応援だと簡単に動くんだなぁ…。

「何ですか？」

山崎福「いや？て言うか由伸とじゃなくて良かったの？」

「由伸は出かけてますよ」

山崎福「元気だねぇ…笑」

「ですねぇ」

山崎福「まぁ、俺達も人の事は言えないんだけどね」
「まぁ、さちさんだけっすけどねぇ」

山崎福「確かに笑」

Aって由伸が来てから着実に変わったなぁ

前は前で、割と一人でいる事の方が好きで、一人でストレッチしたり、ベンチにいても基本的に角の端にいて、本当に猫だった。まぁその近くに座ったりしても、話しかけたりしても大して変わらなかったけど。

でも由伸が来たら来たで、Aとくっついているから周りも周りでコイツマジかみたいな目で見守られてたのを覚えてる。

山崎福「Aって猫だよねぇ」

「急になんですか」

山崎福「いや、急って訳じゃないよ。
ずーっと思ってる。猫だなぁって」

「それで言ったらさちさんはカワウソですよ」

山崎福「え？笑」
「顔が似てる」

山崎福「愛くるしいでしょ」
「ごめん俺ラッコ派」

山崎福「ラッコにも似てない？？？」

「あー見える見える」
山崎福「ねぇそれもうはっきり言えばいいじゃん笑」

「似てない」

山崎福「うざぁー笑」

またも得点を入れたとしても、周りはこんなにも賑やかに応援をしてるのにね。ここだけ静かなんだよねぇ、静かーに応援して静かーにバルーンを叩いてる。

家か

まーね、この関係者席で試合が始まる前に石川選手だったり小野寺選手だったりと、Aの友達である2人にサインを貰ったから良いんだけどさ。

身長めちゃくちゃ高くて吃驚したけどね

｢｢わぁー！｣｣

「顔面痛そう」
山崎福「絶対当たってたよね」

「何気にスポーツ選手って命懸けで怖いっすねぇ」

山崎福「うん、だね。
俺達もその命懸けのスポーツ選手なんだけどね」

「怖いっすねぇ笑」

山崎福「ふふっ笑はいはい」

何にせよ、他球団でも仲がいい人は沢山いて野球以外のスポーツにも友達がいるAの性格が未だに不思議だと思う部分だ。だって、人見知りタイプの選手だと今でも思ってるけど、こんなにも仲がいい友人ができるなんて、ね？

子どもの成長を感じるよ。子どもじゃないや、弟かな。いやでも、入団したのはAのが先だから…

(もういいや)
(帰るんですか？)
(何でよ、帰らせないでよ笑)

(え…)

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