猫。16 ページ16
B18
「うわぁー」
Aさんを抱えた儘バレー観戦。そんなAさんを撮ってるなんて、本人は気付きもしない。思いっきりカメラ向けてるのに、見向きもせずにスマホ片手に目線はテレビ。
顔にはパックをつけたまま、THE お風呂上がりの百々瀬Aを、世界に広めるのは勿体ない気もするけど…でもDMが来るんだもん。仕方がない。
山本「Aさーん」
「んー？」
山本「下向いてみて」
「何撮ってんの？」
山本「Aさん笑」
「えー？由伸入ってなくない？」
山本「あー、俺はギリっすね笑」
「んはっ笑由伸のアカウントなのに笑」
山本「皆Aさんを希望なのでね、
偶には載せてあげようと思って」
「これで由伸が見えるね」
更に寄りかかって、俺の手を持ってアングルを調節するAさん。確かにこれだと俺とAさんがよく写る。
基本シャンプー何かの類は、Aさんと同じ物を使ってる。だから同じ匂いがするのは当たり前でも、髪質なんかは全然違う。Aさんは髪の毛もサラサラしてて、動けばお風呂上がり特有のシャンプーかボディーソープかの匂いがする。
男同士だとしても、これはこれで何か…。うん…。思わずAさんのお腹に回してる腕にギュッと力が込める。
山本「ねぇAさん」
「んー？」
山本「Aさんって、海外とか興味無いんすか？」
「メジャー？」
山本「はい」
「見る分は好きかな。
海外リーグはどんな野球をしてるのか」
山本「行こうとかは無いんですか？」
「んー、ないかなー。
国は国で対戦する方が楽しい。
日本にはこんな奴がいるんだって、知らしめたい。
知らしめつつも、あいつが欲しいっというより
あいつと戦いたいと思わせる事の方が俺は好きかな」
スポーツの世界は、それぞれに憧れるものはある
野球界では翔平さんやダルさんや、メジャーリーグと言うアメリカの大リーグの舞台で活躍するひと握りの日本人選手もいれば、日本に留まりつつ、オリンピックやWBCの様に国際的な試合で活躍してその名を轟かせる人もいる。
それもまた、ひと握りではある事に違いは無いけど…
「あとね、」
山本「？」
「誰が何処に行こうと、誰でも帰って来れる場所を作って
行ってらっしゃいが言えて、おかえりって言える場所を、
俺が作りたいだけってのもあるかな笑」
Aさんと同居して数年
いつだって一緒の場所に行くにも帰るにも、行ってらっしゃいとおかえりはかかせないし、行ってきますもただいまも言う。
これだからもう、さ
#はぁ…
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年9月21日 11時
