一途。39 ページ39
Sh50
「湧梧君、帰ろ」
ブルペンでAさんの声が少し木霊する。だけど、今少しだけ余裕が無いのは、明日の事と今日の事。
あーなんで聞いてしまったかなー
確かにあの場には人はそんなに居なかったし、2人で話してたのもそんなに大きな声ではなかったからさ、なんだけど…。
板東「Aさん」
「んー？」
板東「Aさんって、俺と付き合う前って
て言うか、出会う前？って付き合ってた人とかいたんですね」
「まぁね」
板東「…どんな人でした？」
「いい人と思ってよ。
だって好きになった人だもん、凄く好きだったし
結婚したいとも思ってた」
今では俺がAさんと結婚する人だけど、人が心から好きになるひとって色んな出会いを巡りに巡って、この人だって思える人がいるんだなって、Aさんと今の関係になって思った。
出会った頃、確かにAさんに一目惚れで。央が言ってたのが今ではよく分かる。
「だけど、浮気の事を疑われ始めた時点で
この人とは結婚しないんだなって思った。
どんなにこっちが浮気はしていないと言っても
あっちは聞く耳持たないし。
その癖あいつは、私が、さ…っ北海道に行ってる間に
いつの間にか結婚して？挙句子供も作ってさ」
板東「Aさん、」
「この人を好きになった事に間違いを感じたら終わりだけど、
間違えだったんだなって、殴りたくなった」
板東「…投げます？」
「…湧梧くん」
板東「はい」
「好きだよ！」
そんな人を永遠と好きになって無くてよかった
Aさんと出会えて良かったし、Aさん自身も俺と出会えてよかったなんて、思ってくれたらいい。そんなクズは捨てて正解だし、今でも思う事なんてしなくていい。
俺だけを思って、俺だけを永遠と好きでいて欲しい
板東「Aさん」
「ん？」
板東「…湊崎A ──────────っっ！！」
「ふふっ笑なにー？」
板東「俺と結婚してくれますかー？笑」
「喜んで ─────────ｯｯ！！…わぁっ！笑」
板東「そんな人にはAさんは勿体ないんで、
俺と幸せに結婚しましょ笑」
「比べ物にならない位湧梧君が今ではすっっっごく好きだよ」
ここはマウンドではないし、そんなに大きな声出さなくても聞こえるけどさ、何となくスッキリしたくなった。
Aさんも、何となくすっきりした様な顔に見えて、今迄より綺麗で可愛い笑顔。
甲斐「お前らなにしよん笑」
「ふふ笑愛の告白ですかね」
甲斐「そんなん外でやれ外で！笑」
｢｢ はははっw ｣｣
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月16日 19時
