一途。36 ページ36
Sh50
目を覚ました時に、背を向けて寝てる彼女の背中に、そこそこの量の跡を見て一気に目が冴える事って、あまりない経験だと思う。
昨日…は、うん、まぁ…。
明るい場所ではなかったからか、こうも僅かに射し込む陽の光で見ると、申し訳なく思うのと同時に少し恥ずかしい…。まるであの時と逆の立場だ。
そう思ってると動き出した。起こしたかな…
板東「…Aさん？」
「ん…んんっ…おはよ…」
板東「おはよ…ございます…」
「んふふ笑擽ったい…笑」
板東「ふふ…笑」
寝起きのAさんは、何だか甘い…。
声もそうだし、雰囲気も。体勢は変わらずとも、俺の方に寄りかかってくるから、首にAさん特有の柔らかい髪が当たって擽ったい。いつものAさんの香りがして、いつも整えられた髪が、普段以上にふわふわで。
だけどその感触も、ゆったりと起き上がってしまって無くなる。此方を振り向いては、柔らかく微笑んで垂れた髪を耳にかける。そんな一つ一つの仕草が色っぽい。
「まだ寝てる？」
板東「いえ、起きます」
「ふふ笑おはよ」
板東「おはようございます…笑」
2つ離れた年上彼女。起き上がって一緒に洗面所へと行っても、変わらずAさんの後ろにある跡が気になっては、どうしても思い出して照れる。し、ニヤけそうになる。
て言うかそろそろ服を来た方がいいと思う。
板東「Aさん、服着ません？笑」
「んふ笑後ろ気にし過ぎでしょ」
板東「え」
「顔ニヤけてるよ」
板東「Aさんは、
そんな俺の反応見て楽しんでたんですね」
「いや、鏡で見えてるんだもん笑」
板東「Aさんが服着ないのが悪いのに」
「ふふふっ笑」
あ、使ってる洗顔同じやつだ。何て思いつつ、拝借して同じ様に泡立てたのを顔に乗せる。一緒に住んだらきっとよくある光景になるんだろうな。でも一緒に住むとなると、Aさん福岡に来てくれるかな…。
でも別居も別居で、仕事上で会えて関東圏や九州圏だとお互い今と変わらずそれぞれの家でって感じになるし、それもそれでありかもしれない。生活必需品ってお互い違うだろうし、好みもあるだろうし。
でもやっぱ、いつかは一緒に住みたいと考えるとなぁ…。
「湧梧くんけしょ、そろそろ流さない？泡笑」
板東「あ」
「化粧水とか使っていいからね」
板東「ありがとうございます」
「いーえー。服着てきまーす」
板東「ねぇ笑」
「ふふ笑」
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月16日 19時
