一途。35 ページ35
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板東「お風呂頂きましたー」
「はーい…あ、濡れてる」
板東「お願いします」
「ふふ笑なにそれ笑」
しかも差し出されたのはタオルと頭で。髪の毛短いから、タオルドで拭いただけでそこそこ乾きそう。いいなぁ、私も髪の毛切ろうかな…。ジョンヨンちゃんとか、ショートにした時なんてかっこよかった。ヘアスタイルで雰囲気が変わるから、チェヨンちゃんとかも可愛かったりかっこよかったりだったし。
流石にそこ迄短くするのは似合わないし、出来て肩位の長さかな。
「ん、わ」
板東「Aさんどれだけタオルドライさせるの笑」
「ごめん、考え事しちゃって…」
板東「考え事?」
「うん。髪の毛短いのいいなーって」
板東「切っちゃうんですか?」
「どっちが似合うと思う?」
板東「んー…、まだAさんの髪の毛長いの見ていたい」
どうしよう…今絶対顔赤い自信がある。距離も距離で近いし、未だに首にかかったタオルの端を掴んではいるものの、離すタイミングを無くしてしまった…。板東君も板東君で、腰に腕回されててなんやかんや離れる事は出来ない。
お付き合いした人はそこそこいても、学生だった頃の話であって、恋愛って…こんなにもドキドキするものだったっけ。何かこう…照れる程でもなさそうな言葉に対して、距離感って大切なんだと思った。
顔が見れない…
板東「えー、顔見せてください笑」
「や、ちょっと今ヤバい…」
板東「やばいの?笑」
「板東君が離してくれないから、攻めてもの抵抗」
板東「あ」
「わわわっ!え、ちょ、ば、板東くん!」
デジャヴ!デジャヴになってる!既視感あるけど、でもそれに伴って板東君から自分と同じ匂いがするのもドキドキする。男の人が好きな人と同じ匂い纏って嬉しく思うのが分かる。
気持ち的な面でね、何か匂いが同じなのって確かに好きかも
今はそれ所じゃないんだけどね。開かれた儘のドアの隙間から、廊下の電気が少しだけ差し込んでる分、少なからず視界が分かる。板東君の表情が、あの時と同じ様な顔してるからか、そんな事を思い吹ける。
板東「Aさん」
「ん?」
板東「名前呼び慣れてください」
「あ、それでその顔してるの?」
板東「だってAさんだって
湊崎で呼ばれるの嫌じゃないですか?」
「あ懐かしい呼び方」
板東「もう黙ってください」
だって、本当の事だもん。最初の頃、湊崎さんなんて呼んでは反応しただけなのに、照れてた頃が何だか懐かしい。
今ではその人と結婚するとは…。
(湧梧君のちょっと拗ねてる顔好きかも)
(拗ねさせないでください)
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作者名:RIKU | 作成日時:2023年8月16日 19時