一途。31 ページ31
Sh50
山崎颯「結婚されるんですね」
「Aさんと」と人工芝の上でアップをしているとそう声をかけられた。Aさん色んな人と仲良過ぎてちょっと嫉妬してくる。若くてイケメンな人なんて騒がれれば沢山いるのに、何で俺と…と今更ながらにネガティブな所が出てくるものの、結婚するのを辞める気はない。
幾ら入団した年が早かろうが、自分の方が遅れていようが。関わってきた年月が長くても短くても、Aさんが俺を選んでくれたからいいやとも思えるようにはなった。
板東「うん」
山崎颯「おめでとうございます」
板東「ありがとうございます」
山崎颯「はぁ"ー…、本当顔だけいいとか思ってましたけど、
Aさんと一番関わりある人だし、納得はします」
板東「山崎さんも関わり多い人なんじゃ、」
山崎颯「関わりは確かに多いっすけど、
2人でどっか行くのはないっすよ。あるでしょ、2人で」
板東「まあ…」
山崎颯「どうやってお互いの好意が分かり合えるのか不思議」
そこは、俺も分からない。ただ全面的に俺がAさんに対する好意を出し過ぎてるだけだと思うし、AさんはAさんで、それに対して何かしらの言葉と一緒に写真で伝えてくる。
選手が奮闘してる所だったり、時に一緒に写ってたり。仕事で来ていても、時間があった時には何処に行って何を食べて、"時間が合えば行こうね"って。そんな事。
板東「お互い好意が、どう分かり合えるかは分からないけど
でも、写真の中に残しておきたいと思えるかじゃない?」
山崎颯「写真…?」
板東「どんな時でも、言葉で伝えるのも大切だけど
言葉以外での伝え方って、お互い写真ばかり送り合って、
それに応えたりしてって感じだったから」
山崎颯「それでAさんの好意が伝わる訳ですか笑」
板東「んー、少し?笑」
山崎颯「やっぱ男前さんは男前ですね」
板東「それは無い」
結婚する人が、色んな人に慕われて好意を持ってる人なんて、どの位いるだろう。想像しただけで刺されそうな気がするから、考えない様にしておこう。
Aさんは今何してるかな。確か今ロッテにいるんだっけ。じゃあ次のビジターの時には会えるかもしれない。次もロッテならの話だけど。
時間が合えばご飯でも行きたいな。何処行こう。
山崎颯「板東さんって、
Aさんの何処が好きなんすか?」
板東「え"、急…んー…聞き上手で話上手で、
仕事に対してもそうだけど、
人として尊敬できる事が多い所かな」
(ほぉーっ、顔かと思った)
(顔も好き)
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作者名:RIKU | 作成日時:2023年8月16日 19時