一途。4 ページ4
Sh50
板東「Aさん」
「ん？」
そのん？って聞き方…。話しかける度にそのん？が癖になる位好きだったりする。女性がよく好きな男性のん？って聞き方が好きって言ってる人の気持ち。それがよく分かる。
何なんだろう、その気持ち。声もそうなんだろうけど、自分の声に反応してくれる感じがまたいいんだろうか。
板東「何食べてるんですか？」
「たけのこの里食べてる。イチゴ味」
板東「Aさん好きそう」
「ふふ笑そうだね、好きだね」
板東「1つ貰ってもいいですか」
「いいよ、食べな食べな」
板東「うん、美味しい」
「よく論争起きるけど結局どっちも美味しいんだよね」
板東「あー、分かります。
気分によって偏るだけで、どっちもどっちですもんね」
「ね笑」
話が止まっても、Aさんと一緒にいる空間が心地良い。特に気不味くなる事なく、中庭でお菓子の咀嚼音と虫の鳴き声しか聞こえないこの時間も、2人してボーってしながら過ごしてても心地良い。
自分から会いませんか？って言っておいて、ボーっとするのもちょっと変な話だけど。
「今年も早いね、終わるの」
板東「ですねー。シーズンが始まるといよいよって感じです」
「確かに。野球に集中するから、
今が何月かって感覚もなさそう」
板東「いや流石にそこ迄はない笑」
「…そう？」
板東「はい笑だって感覚なきゃ、
Aさんの誕生日も祝えないじゃないですか笑」
「毎年ありがとうございます」
板東「いや、俺が言いたいだけなので…笑」
「それでも嬉しいよ笑」
好きだから、祝いたいし言いたいし伝えたいってだけ。それでもってAさんもAさんで、少しずるかったりする。
例えば、欲しいものを聞けばその日俺の時間を貰えるだけで嬉しいだとか、何処に行きたいか聞けば一緒に食事できるなら、板東君の嫌いな食べ物がない所がいいだとか。
Aさんのそう言う所は、正直言って困る。悩むし。
「あ、板東くん」
板東「ん？」
「このキャラクター知ってる？」
板東「…何ですかこのキャラクター。ウサギ？笑」
「そう。おぱんちゅうさぎって言うんだって」
板東「おぱんちゅ、笑」
「山崎颯一郎選手に貰ってね、いる？」
板東「ふふ笑2つある…こっちは？」
「なんだと思う？笑」
板東「えー…言わせたいだけでしょ笑」
「ふふ笑聞きたいだけ笑」
板東「おぱん、でもこれパンツ履いてない」
「板東君板東君、違うよ」
板東「絶っっ対言いませんよ？笑」
#中庭の愛瀬
(因みにクマは着衣クマって言うんだって)
(Aさーん？笑)
(ふふふー笑)
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作者名：RIKU
| 作成日時：2023年8月16日 19時
