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一途。26 ページ26









.「あ、いらっしゃいませ笑」


「ふふ笑久し振り、ゆりちゃん」

.「本当に、猫みたいに現れますね」

「でも気紛れって訳じゃないよ。
ちゃんと毎月の何処かで来てるから」

.「それも一種の気紛れですよ笑」




関西の、特に大阪でのお店はここと決めている場所がある。オープン当初の一番乗りで来たから、ある意味一番最初のお客様と言っても過言では無いはず。

大阪は大阪でも、何気にここのお店ってオープンしたら賑わいはあるけど、やっぱり時間が経つとどんなに人が多くても段々と落ち着いた雰囲気の中でのジャズの音楽が流れてて落ち着く。




「あ、そう言えばねゆりちゃん」

.「はい」

「私結婚するんだー」


.「えぇー!おめでとうございます、笑
え、因みに御相手は、あの?」

「ふふ笑そう、あの方」

.「…わぁ、…おめでとうございます」
「ありがとうございます」




お祝いにとサービスで好きなワインとアヒージョを貰った。ゆりちゃんのアヒージョって好きなんだよなぁ、お酒とも合って。ここに来たらアヒージョとこの手作りカンパーニュが最高で、看板メニューだけある。

ゆりちゃんが料理を作ってる間にでも、店内を改めて見渡してもオープン当初から変わらず、だけど奥の方には団体客様のスペースが新しく設けられてるのだけは変わってる。

お店の雰囲気好きなんだよねぇ、いつ来てもここでのお酒は美味しい。明日が休みでよかった。




.「ねぇ、みなさん」

「んー?」

.「もう直ぐ結婚するみなさんに、
こんな質問は失礼かもしれないんですけど

お互いの好きって、どうやったら分かるんでしょうか…」


「んー…そうだねぇ。

アルバムに残したいと思える人じゃないかな?」




ゆりちゃんの奥にある柱に貼られた写真に残る彼。その彼とは、私は1枚も写真を撮った事も取られた事も無い。

板東君との写真は沢山ある。何処に出かけて何処で遊んで、何を買って何を食べて。どんな事にも一つ一つの思い出は、アルバムのアプリの中に沢山残ってる。

時々思い返す度に笑ってしまっては、次の日の原動力となる。




「スマホの中に残ってるだけで、
時に見返した時に、その人の原動力となる時こそ、

好きだと思えるんじゃないかな?」


.「…みなさんも、そうですか?」

「うん。板東君との写真は沢山あるよ。
それ見て笑ってたら写真撮られた事もある」

.「お互いゾッコンですね笑」

「ふふ笑まぁね?笑」


.「結局惚気られたー笑
…はい、アヒージョとカンパーニュのサービスです」













(後さっきのは何となくだからね)
(アヒージョ返してください)
(やだー!笑)

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作者名:RIKU | 作成日時:2023年8月16日 19時

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