一途。20 ページ20
Sh50
普段から見てる分では大人っぽい雰囲気がある人だけど、心臓の心拍が速いのを感じて、あぁこの人でも緊張してるんだと思ってるのと同時に、そうさせてるのが俺だと思うと何だかくるものがある。
逃げる逃げないとか思ってもないけど、ただ逃したくは無いと思って靴を履いたままのAさんを抱えてリビング迄来た。「逃げないから」と公言迄して靴を脱ぎたいと言われたから脱がしたのに、それでも床に足をつける事無く、今度はAさんに抱きしめられてる。
正直、抱きしめてもいいものかと葛藤が生まれてる。
仮にも好きな人に抱きしめられてて、好きな人と同じ空間にいて。ここ迄の行動と自分がした行為に矛盾があるけど…この距離に、伝わる体温。それでいて、鼻腔から伝わる匂いがまるで何処かの映画で見る惚れ薬の様にすら思う。
「板東君」
板東「はい」
「…好きだよ」
板東「Aさん、」
「好き。伏見さんとは、板東君についての話しかしてなくて
伏見さん以外でも、板東君との話ばかりする。
でもその人達に促されて今言ってる訳じゃなくて、
今の現状に耐えきれなくて言ってるだけ、「Aさん」
板東「こっち向いて、?」
「や、今は、ちょっと…」
板東「人と話する時は目みるものですよ」
「それは分かってるけど、」
板東「顔真っ赤、笑」
普段のAさんからは見られないような、そんな顔。耳まで真っ赤に染めて、頬も赤らんでて。そんなAさんの首に手を当てれば、驚く程熱くて。やっとの思いでって言う感じで目の前で合わさる目は潤んでて、こんなに可愛い人だっけって思うと、何だか笑ってしまう。
そんな人を、ここ何年も待たせてしまった挙句、言わせてしまったのかと思うと流石に笑えなくなるけど…。
板東「Aさん」
「…はい」
板東「俺も好きです、Aさんの事。
凄く好きです。会えない所にいても、
Aさんが好きそうなものを見つけたら買ってしまう位」
「うん…いつも貰ってる」
板東「それに、俺も話す内容はAさんとの事ですよ」
「それは…知りたくなかった」
板東「何でですか、恥ずかしいからですか?笑」
「いや、うん。普通に恥ずかしい」
板東「ねぇAさん」
「…はい」
板東「すっごい過程を飛ばしますけど、
このシーズン終わったら結婚してくれませんか?」
人によっては交際期間はあるけど、でももう時間を合わせたデートも、お互い好きだと認識しての付き合いだしそんな過程何てなくてもいいとさえ思う。
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作者名:RIKU | 作成日時:2023年8月16日 19時