一途。17 ページ17
F23
伏見「サボり魔」
「人聞きが悪いですよ」
伏見「例の人はまだ捕まえてねーの?」
「それも人聞きが悪いです」
伏見「ふっ、ごめんじゃん笑」
「仕方が無いので許してあげます笑」
正直、俺が思うにあの大谷もAの事が好きだったかもしれない。好きな子程自分に気を引かせたくてするイタズラも、度が過ぎれば流石に嫌われる。
まぁ、当の本人は気付きもしないしましてや大して何にも思ってなかっただろうな。思っててもクソガキ位だろうし。
伏見「今でも思うけどさ、
大谷の好意って気づいてたりすんの?」
「さぁ、どうなんでしょうね」
伏見「その反応見るに気付いてたな、絶対」
「さぁ?」
伏見「贅沢な奴。付き合えば全て安定なのに」
「安定…例えば?」
伏見「生活面とか?」
「それは大谷君と付き合ってなくても
安定な生活は過ごせますよ」
伏見「まぁ、確かに…」
何なら金銭面ではスポーツ選手の方が悪くはなくとも、普通の一般職の方が安定的ではある。スポーツ選手だったらほぼシーズン中は会えないし、遊び人が多いとかうんともいいえとも言い難いものもある。まぁ、普通の一般職でもそんな人はいるだろうけど。
でもAが好きな人はスポーツ選手。会えば好きな子程悪戯をしては、遊び半分だと理解はしていてもAは何方かと言えば弟みたいにしか思ってなさそうだしな。
時に叱って、時に一緒に喜んだりもして。大谷に唯一近付けれる女性として名前が上がってた程だし。
伏見「大谷と板東の違いって何?」
「違う所は沢山あるでしょ。
大谷君には大谷君の良さも悪さもあって、
板東君にも板東君の良さと悪さがある」
伏見「まぁ…じゃあ板東湧梧の好きな所は?」
「ふふ笑伏見さん」
伏見「なに?」
「絶対言わないし話さないです」
うん、だろうと思った。しかし、その顔はない。いきなりスンっもするの辞めろ。
ただ本当にお互い思いあってんなって時はよく分かる。それは話してる時だったり、空気感だったり。一挙手一投足まじまじと見つめてる訳じゃないし、視線迄追ってるとかも無いけどさ。
伏見「付き合いたいとかないの?」
「今はいいかな」
伏見「…ふーん、今はねぇ」
「ニヤニヤしないで下さい」
伏見「これが通常の顔なんで」
「それだと単にヤバい人ですよ」
伏見「いいよ、どうせ元からヤバいやつだから」
「それはそれで伏見さんの名誉が…笑」
伏見「俺の事より、
てかさっさと付き合えよお前ら笑」
(人に促されてするものでもないです)
(じゃあいつすんの?)
(全てはタイミングですよ、伏見さん)
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作者名:RIKU | 作成日時:2023年8月16日 19時