一途。12 ページ12
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「ふふっ、可愛い笑」
板東「癒されますね」
「ね。あ、これ板東君に似てるかも」
板東「似てます?」
「ふふふ笑」
板東「ちょ、笑」
癒しだ。確かに、これを癒しと呼ばずして何なんだって位。
でもクラゲって死ぬ時は水に溶けてしまうから不思議。ミズクラゲもそうだし、ウリクラゲも見てて飽きないんだよねぇ。クラゲの種類によって、泳ぎ方って言うか浮遊の仕方が違うから見てて面白い。
夏休みの宿題いつもクラゲかシャチだったっけ。もう何年も前の話だけど。懐かしい。
「ちっちゃーい…ベニクラゲだ」
板東「詳しいね笑」
「ベニクラゲって不老不死何だよ」
板東「そうなんですか?」
「そう。弱ったらまたポリプって言う小さな形に戻って、
ずっと若返りを繰り返すような感じになるんだって」
板東「そうなんですね…
Aさんがその力手に入れたらどうします?」
「んー…、好きな人の一生を永遠と見届けるのは辛いから、
流石にいらないかな、その力を持つのは」
でも一生を添い遂げるなら、最後迄見届けたいかな。好きな人程、悲しい顔はあまり見たくは無いし。まぁ、死んでしまったら見る事も無いんだろうけど。
それに、一生老いもせず死にきれないのもそれはそれで寂しい。ベニクラゲが寂しい生き物とは思う事はないし、ベニクラゲだって、生命体がハッキリしてしまえば死ぬ瞬間もあるだろうし。
何か暗い話になったな…
「ベニクラゲの赤い部分って知ってる?」
板東「あ、それは知ってますよ。消化器官でしょ笑」
「お、知ってた」
板東「じゃミズクラゲのこの柄の部分知ってます?」
「胃でしょ」
板東「あ、知ってた」
「通常は4つあるらしいけど、
稀に5つ6つあるのもいるらしいよ」
板東「あ、これじゃない?」
「お花みたいで可愛い」
板東「稀にいる可愛さですね」
「ね、飼いたい」
こうして見ると綺麗なんだけどね。こんなに綺麗な生き物でも、人の生死を彷徨わせる猛毒を持ってたりするから怖い生き物何だよね。まさに美しい花には刺があるってこの事だわ。
それにこの位の手のひらサイズだから綺麗だとか可愛いって思えるけど、大きければ大きい程段々綺麗さも可愛さの欠けらも無い。
あまり出会したくはないけど、でも気になる
板東「あ、Aさんシャチのショー始まりますよ」
「行こ行こ」
板東「触ったら食べられるのでダメですよ笑」
「妹が居ない今チャンスだと思ってるんだけど私笑」
板東「うわー笑」
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作者名:RIKU | 作成日時:2023年8月16日 19時