◇二十六、 神との契約 ページ40
『この力の代償は_____
神からの賭けに勝ち、神社を守ること…。』
太宰「…神からの、賭け…?」
『そうです。私も知ったのは、お婆ちゃんが亡くなってからなんですけどね…。』
そう。知ったのは、あの後だった。
お婆ちゃんが亡くなって、葬式が行われた日。帰って整理をしていたら、三つの本と、古い日記のような物を見つけた。
三つの本は、先代から受け継がれてきたのか、少し黄色くなったりしてい
た。
もう一つの日記のような物は、洟宮の契約について綴られていた。その時、やっとお婆ちゃんの言った意味が分かった。私が、最後の巫女だから、あの時お婆ちゃんは「契約を守れる」と言ったのだと。。
『それが行われるのは、私が力を使った時…。力を使ったということは、契約が証明されたということ。だから、昨日証明された私は契約を果たさなければならないんです。
…神がいつ来てもおかしくはありません。』
私は、全てを話し終えた。
洟宮の契約を。
いつか、契約を果たしにやって来る神のことも。
太宰「…そっか、ありがとう。」
『いえ…。でも、なんで知りたかったんですか?』
太宰「うーん…。昔、そういう人に会ったからかな。」
目を閉じて微笑む太宰さんに、なんて言えばいいか分からなくなった。
太宰「んじゃあ、そろそろ国木田君が心配してるだろうし、探偵社に戻るよ!」
太宰さんは明るい口調でそう言った。
さっきのシリアス感は何処に行ったのやら。
…でも、そっちの方が私らしいよね。
『今頃、怒りながらきっと太宰さんの仕事してますよ。早く行ってあげて下さい。』
太宰「国木田君は予定表が好きだからね〜。タオルありがとう。」
いつのまにかタオルが綺麗にたたまれていた。んー!と背伸びして立ち上がった太宰さんに、最後にこう言った。
『誰に』
太宰「誰にも言わないよ。心配しなくていい。」
それを遮られた。この人未来でも見えてるんじゃない…?
『…ありがとうございます。
さっ!早く行ったいった!』
なんか恥ずかしくなってきたので、無理やり太宰さんを押して階段まで追いやった。このまま階段から転がそうかな。
太宰「わかったわかったから!落ちる!」
押す手を離して、今度こそさよならする。
『じゃあ、仕事頑張ってくださいね。』
太宰「ほーい。じゃ、また!」
神社を離れる太宰さんを見送って、部屋に戻った。
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光牙 - 「森羅の暴走 参」で本は太いじゃなくて厚いだと思いますよ (2018年8月24日 6時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
ふぃりあ(プロフ) - 南空さん» コメありがとうございます!こちらこそ見てくれてありがとうございます。(・・、) (2017年9月5日 17時) (レス) id: 260828f0b6 (このIDを非表示/違反報告)
南空 - 面白かったです!書いてくれてありがとうございます!(*^^*) (2017年9月5日 15時) (レス) id: 8ca4eee2f6 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃりあ(プロフ) - 幽輝&華さん» ありがとうございます!楽しく読んで頂けて光栄です…!(・・、) (2017年8月22日 16時) (レス) id: 260828f0b6 (このIDを非表示/違反報告)
幽輝&華(プロフ) - 楽しく読ませて貰っています。これからも頑張ってください!(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年8月22日 15時) (レス) id: 0b112b624e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぃりあ | 作成日時:2017年8月13日 18時