バーノン�� ページ25
俺はとりあえず、Aの隣に座った。
ぼ「今まで俺たち、こんな風に一対一で話したことなかったね。」
A「確かに、初日から色んな人としゃべって、案内してもらってってバタバタしてたなぁ」
ぼ「メンバーはおしゃべりだからな〜、俺はそんなにコミュ力ないからうらやましいよ」
A「みんなすごいよね。私もコミュ力ないし、話題を振ってもらわないとだな〜」
色々と話すうちに、なんだか意気投合してるんじゃないかと思った。
もっと彼女の事が知りたくて1番気になる事を質問してみた。
ぼ「あの、、さ、ざっくりでいいから、なんでここに住もうって思ったのか、教えてよ」
A「他に住む場所がないからだよ」
ぼ「うん、めちゃざっくりだね、、、」
あんまり同居人の過去は探るなとクプスヒョンに言われてるけど、どうしてもAのことが気になって聞きたくなってしまった。
ぼ「なんで住む場所がないの？家は？」
つい、踏み入ったことを聞いてしまった。
A「家、ないけど」
ぼ「へぇ、俺もないよ」
彼女は少しニヤッとして、
A「嘘だ、絶対、家族に大切にされて生きてきたでしょ。顔にそう書いてる」
ぼ「え？」
急いでケータイを取り出して、日光の反射で自分の顔を確認した。
A「いや、雰囲気がそんな感じしたから。ほんとに自分の顔見る人はじめてだわ」
ぼ「そういうことね、確かに俺の家族は仲良いよ……」
A「じゃあ、なんでここに来たの？」
ぼ「家族は嫌いじゃないんだけど、家に居づらくて」
俺は慌てて口を止めた。なんで、出会って間もない人に自分の事を話そうとするんだ。
いや、Aの過去を知りたいから、自分の過去もさらそうとしている……？
A「ごめん、過去なんて誰にも話したくないよね。私だってそうだし。」
ぼ「あ、、、うん。」
なんだかしんみりとした空気になった。なんか話さないと、場が持たない。
彼女をじっと見ていたら、急にこっちを見て目が合った。
おっと、、、、、
反射的にパッと目をそらす。
するとふいに、どんっと背中を押された。
ぼ「、、え！？」
Aは今までで一番の笑顔(それでもはたから見れば微笑なのだが)で俺を見た。
A「このスケボー台、すべり台みたいだなって思って」
ぼ「俺はいつもすべり台だと思ってすべってた。」
A「ははっ、やっぱハンソラ面白い。」
俺は立ち上がって、台の上に座る彼女を見つめた。
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作者名：佐藤 | 作成日時：2018年7月27日 21時
