１ ページ1
俺は、タバコを吹かしながら夜道をゆらゆらと歩いていた。
別にこれと言った理由は無い。
だが、なんとなく外を見ると星が輝いていたから、たまには外に出てみようと思っただけだ。
俺が欠伸をしていると、大きな音を立てて銃声が聞こえた。
俺は大きな岩に隠れ、タバコを捨ててその様子を伺った。
この辺りは足場が悪かったし、周りに岩ばかりだったから、少しありがたく思った。
そして、懐から銃を取り出してロックを外した俺は、自信を落ち着かせるかのように長く、深いため息をついた。
あれから銃声、ましてや音は聞こえない。
だからと言って迂闊に飛びだしても危険だし、このまま隠れていたら、頭領になんていわれるか分かったもんじゃない。
俺は勇気を振り絞り、岩から飛び出ると、体がピタリと止まった。
目の前で起こってる事が信じられなくて、俺は体を動かすどころか、口をぽかんと開けて間抜けた格好をしていた。
だって、驚くのも無理はないだろ。
目の前の光景を見たら、俺以外も驚くに決まっている。
俺の目に映ったのは、一人の少女。
真赤なワンピースと靴を履き、棒立ちしている。
少女だけではない。
奥には男が倒れている。
そして、微かに焦げ臭い匂いは、明らかに銃だと察した。
どう考えても、この少女が殺したとしか思えない。
俺は動揺しながらも、銃を握って少女に近づいた。
おそらく少女が驚いて発砲したのだろう。
何も心配する事はなかったので、俺は声をかける。
『ねぇ、君…どうかしたｎ』
その時だった。
俺が少女の１ｍ程まで距離を縮めた時、少女は首をグルリと回し、俺を鋭い眼光で睨んだ後、勢い良く頭に飛び乗ってきた。
俺は動揺と混乱、疑惑が入り混じったまま少女に近づいたので、(少女と言う事もあるが・・・)態勢を整えていなかったのだ。
『！？！？！？』
だから、俺は仰向けに倒れてしまった。
『…ったた・・・』
倒れた衝撃で頭を擦っていると、眉間にガチャリと金属音がした。
『え”』
俺の動きがまた静止する。
だって、信じられないだろう？
少女が俺の上に乗って眉間に銃を当てているなんて。
しかもその銃は、さっきまで俺が持っていたものだった。
まさか、この少女が俺から銃を奪ったってのか！？
『き、君は・・・一体・・・？』
俺はやっと声を上げる事が出来た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
XRYV2(プロフ) - 我ゾムファンさん» か、神作だなんて、あ、ありがとうございますすす (2019年4月7日 3時) (
レス) id: 6c86909f6a (このIDを非表示/違反報告)
我ゾムファン - これは神作になる予感…更新頑張ってくださいね！(*^^*) (2019年4月3日 11時) (携帯から) (レス) id: 63a416050e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：XRYV2 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/#nindex
作成日時：2018年11月27日 15時
