74章ー掴まれた手ー ページ26
私がベッドに腰かけると彼は私と対面するように床にあぐらをかいて座る
___話したいことってなんだろう。
「さっき蒙恬がここに来たな」
『！？』
さっきの事、見られた…？
「奴がここに入っていくのを見かけただけだ」
なんだ…。いや別に見られたところでどうしようもないけど
「…その髪の装飾、蒙恬か？」
王賁は私の手の中にある小さな髪飾りに目をやる
『…うん。素敵でしょ』
掲げて、彼に見せる
「あいつは女付き合いは多い方だが贈り物をしたという話は一度も聞いたことがない」
髪飾りを眺めながら言う
彼なりの誉め言葉なのだろうか
「明日、もしこの村で乱闘になったら俺の側を離れるな」
王賁はあぐらをかいたまま淡々と話す
『大丈夫だよ。私も一緒に戦え…っつ！』
彼は私の返答を遮るように立ち上がり、腕を軽く掴む
屯留での傷がまだ完治していない腕だ
私は反射的に顔を歪める
「やはりな。無理をするな」
『違っ…私はただ、皆の力になりたいだけだよ』
まだ引く様子を見せないAの強い瞳を見た王賁は
Aを抱き締められる距離まで引き寄せる
「何故自ら無茶をする。俺はお前を危険な目に合わせたくはない。」
彼は私の腕を優しく掴んだまま離そうとしない
私は彼の目を見て応える
『…ありがとう王賁。だけどね、私は…』
______バンッ
王賁『「！」』
閉まってたのか開けっ放しだったのか覚えてないが扉が勢いよく開けられた音がする
蒙恬「王賁とA、…信が皆で酒飲もうってさ」
いつもより鋭い視線は王賁に向けられている
蒙恬はさらっと言うと、つかつかとこちらに向かって歩いてくる
王賁は彼が部屋に入ってきてもまだ私の手を離さない
それどころか少し眉を細め、歩いてくる蒙恬を見る
蒙恬「…てっきり一人で蛍でも観に行ったのかと思ったよ、王賁」
蒙恬は冗談めかしく王賁に言うが目つきは冗談を言っているようには思えない
王賁「あいにく蛍よりも会いたい奴がいたからな」
蒙恬は少し驚いた表情をする
王賁「行くぞA」
『…！』
Aは王賁に半ば強引に手を引かれながら蒙恬の横を通り過ぎる
蒙恬「……」
蒙恬はうつむいたまま動かなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 210人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のの９０９ - 夜間飛行士さん» 色々な作品、ありがとうございます・・・！ (2022年4月7日 21時) (
レス) id: 39b5b02acb (このIDを非表示/違反報告)
夜間飛行士(プロフ) - のの９０９さん» いえいえ、とんでもないです。嬉しかったです、ありがとうございます！！ (2022年4月6日 9時) (レス) id: 46d47b76d9 (このIDを非表示/違反報告)
のの９０９ - 夜間飛行士さん» ぜーんぜん大丈夫です。こっちこそごめんなさいｗ (2022年4月6日 7時) (レス) id: 39b5b02acb (このIDを非表示/違反報告)
夜間飛行士(プロフ) - のの９０９さん» ののさんいつもありがとうございます！！*❇︎ すみません、お誘いとても光栄なんですが、私が不定期＆かなり雑な人間ですので、せっかくお誘いいただいて申し訳ないのですがやめた方が御身のためです‥笑お誘いいただきありがとうございます(T_T) (2022年4月5日 22時) (レス) id: 46d47b76d9 (このIDを非表示/違反報告)
のの９０９ - これでみるの5回目だー (2022年4月5日 22時) (レス) id: 39b5b02acb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜間飛行士 | 作成日時：2019年10月12日 23時
